トヨタ自動車の豊田章男社長は1月5日、新工場の建設などを進めているメキシコでの生産体制について「いろいろなものをよく見ていきたい」と述べ、米国のトランプ次期大統領の通商方針などを注視する考えを示した。
同日、都内で開催された自動車工業団体の賀詞交歓会で記者団の質問に答えた。豊田社長は、今後の方針については「もう少し状況が分かったら考えていきたい」と述べるにとどめた。メキシコでの自動車生産をめぐっては、トランプ次期大統領が米メーカーをけん制しており、フォードモーターは3日、2018年の稼働を目指していたメキシコ新工場の計画を撤回した。
トヨタは年間約20万台の乗用車生産能力をもつメキシコ新工場を16年11月に着工、19年の稼働を予定している。また、ピックアップトラック『タコマ』の生産拠点である既存のバハカリフォルニア工場では年10万台の能力を17年末から18年にかけて同16万台に増強する計画も進めている。