【CES 2017】体感! ボーズのサスペンション技術…自動運転時代の車内を視野に

自動車 テクノロジー 安全
大型のバン内にセットアップされた超快適なVIPシート。ここに「Bose Ride」が組み込まれている
大型のバン内にセットアップされた超快適なVIPシート。ここに「Bose Ride」が組み込まれている 全 9 枚 拡大写真

大型のバンの扉を開けたそこには超VIPなラウンジ空間が待っていた! ボーズが1月5日(現地時間)発表した『Bose Ride』は、これまでのサスペンションの概念を根本的に転換させる画期的なシステムだった。CES2017が開催されたラスベガスよりレポートする。

Bose Rideは、路面からの振動・揺れ・不快な動きを遮断するパーソナル・サスペンション技術で、2010年より主に大型トラックや農工車両に採用されて来た。既に特許取得済みの有望技術として受賞歴もある。今回発表されたBose Rideは、その基礎技術をベースに、乗用車向けとして新たな乗り心地を提供できるよう開発されたものだ。

たとえば、いくら最新型の高級車であろうとも、乗車中はいつも振動を感じているもの。Bose Rideを使えば、その振動を最小限に抑えることが可能となり、車内空間での快適性が大幅に高まる。特に将来実現すると言われている「レベル5」の自動運転車が実現すれば、乗車中の人は完全な“ハンズオフ”“アイズオフ”となるわけで、その時はひたすら快適な乗り心地が求められるはず。そんな長期的視野に立って開発は行われたという。

デモはホール内の電動カートで基本的な仕組みを理解し、最後に冒頭で述べた超VIP仕様の大型判へ乗り込むという段取りとなっていた。面白いのは、シート自体が揺れを抑えているため、座っているとフロアが別に動いているように感じることだ。補正をOFFにすればその感覚はなくなり、つまりシートが振動を抑制してることが明らかとなる。

大型バンの中に作られたラウンジのような空間はまったくの別世界。クルマが動き出し、様々な路面の変化に遭遇してもシートに座っているとその振動はかなりのレベルで抑えられている。シートの乗り心地の良さもさることながら、制御されていることをまったく意識せずに、ひたすら快適に乗っていられるから不思議だ。

デモ乗車中は、タブレットとペンが渡され、Bose RideのONとOFFそれぞれで絵をなぞるよう指示されたが、その効果は明らか。OFFの時はとても線をなぞることはできなかったが、ONの状態になればスムーズになぞれる。つまり、それだけシート上に反映される効果が大きいと言うことだ。

ボーズは早い段階からノイズキャンセリング技術を手がけ、その先鞭をつけてきた。この考え方はクルマのサスペンションに反映されたこともあり、ボーズはそうした抑制技術を将来登場する新たなカーライフにもマッチさせていく考え。今回のデモではそんな未来の乗り心地を体感できる貴重な機会となった。

《会田肇》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. いすゞ『ギガ』など大型・中型トラック1万6780台をリコール…シートサスペンション不具合
  2. 「クラシックmini」がレストモッドで蘇る! 限定生産で約1490万円から
  3. ケーニグセグ、1625馬力の新型ハイパーカー『サダイアズ・スピア』発表
  4. 「存在感ハンパない」DSの新型フラッグシップ『N°8』が「唯一無二な印象」など話題に
  5. 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』が日本導入…6月の新型車ランキング
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
  5. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
ランキングをもっと見る