トヨタ自動車は1月17日、アラブ首長国連邦(UAE)での持続可能な低炭素社会づくりに向けた水素利用の可能性を探るため、現地企業と共同研究を行うことで合意した。
今回の合意は、トヨタとアラブ首長国連邦マスダール社、アブダビ国営石油会社(ADNOC)、エア・リキード社、トヨタの現地ディストリビューターであるアルフタイム・モータース社との間で交わされたもの。
この研究活動の一環として、5月より燃料電池車『MIRAI』(ミライ)を使用した現地での走行・充填などに関する実証実験を開始。5月に設置される水素ステーションを使用し、高温となる気候下での様々な走行試験や充填などに関する試験を行うほか、UAEの政府関係者やオピニオンリーダーへの短期的なリースなどを通じ、燃料電池車や水素社会へのさらなる理解促進を図っていく。
産油国であり原油生産が基幹産業であるUAE政府は、国家ビジョンである「UAE Vision 2021」のもと、大気汚染の改善、クリーンエネルギーの利用拡大、インフラクオリティ世界一などを目指すプロジェクトを現在進めている。今回の共同研究は、UAEの国家プロジェクトでゼロ・エミッションを目指し建設中が進んでいる環境未来都市「マスダールシティ」にて、今後の水素活用の可能性を探るものになる。
トヨタの内山田竹志会長は、「UAEは、石油精製所での既存水素製造設備の余剰能力や、苛性ソーダ工場等における副産物としての水素の利用、さらにはメガソーラー・パワーステーションの活用により、豊富な水素製造を行える潜在力がある。UAE政府のイニシアチブのもと、水素社会づくりを推進する事により、UAEが次世代クリーンエネルギーのリーダーとなる可能性がある」と述べている。