NTTドコモ、東京無線、富士通、富士通テンの4社は2月17日、共同で実施してきたAIタクシーの実証実験の中間報告と試乗会を兼ねた記者発表会を東京都内で開催した。
AIタクシーとは、AIでタクシーの配車を最適化する仕組みのこと。NTTドコモの移動需要予測技術と、富士通テンの乗車実績データとを組み合わせて、乗車ニーズの高い地域を推定し、富士通のクラウドを経由して、東京無線のタクシー乗務員が持つタブレットに、乗車ニーズのヒートマップが表示される。実証実験は昨年6月から始まっており、今年の3月まで実施される予定だ。
中間報告では、予想される乗車人数の精度がどの程度であったか、乗車実績との比較が発表された。これによると、予測値の正解制度は92.9%としている。また、実証実験に参加した乗務員の売り上げは、東京無線全体の平均値を49%上回る実績も発表された。
会見後の囲み取材に応じたNTTドコモ 法人ビジネス本部 IoTビジネス部の谷直樹部長は、今回の成果の事業化について「今年の下期に事業化したいと考えています。今回の実証実験のパートナーである東京無線を含め、タクシー事業者に提案していきます。特に、実車率の高さは訴求したいポイントです。ビジネスモデルは、まずは富士通テンの配車システムに付加価値を加える形で考えています」と語った。
また、富士通テン VICT技術本部 ソフトサービス技術部の沢田輝部長は、「いま、タクシー無線からIP通信に切り替わるタイミングで、帯域不足や不感帯の問題が解消されていくタイミングです。当社としては、配車システムNo.1のシェアとともに、富士通グループのクラウドの強みを活かして、新たな付加価値を提案していきます」と語った。