【VW ティグアン 試乗】ドイツ車のDNAを受け継いだ実用SUV…諸星陽一

試乗記 輸入車
VW ティグアン Rライン
VW ティグアン Rライン 全 10 枚 拡大写真

8年ぶりのフルモデルチェンジとなったフォルクスワーゲン『ティグアン』は、現行『ゴルフ』と同じMQBプラットフォームを採用した。

モデルチェンジ毎にボディサイズが大きくなりがちなフォルクスワーゲン車らしく、新型ティグアンも従来型と比べるとボディは全長で70mm、全幅で30~50mm大きくなった。全幅はすでに先代で1800mmを超えていたが、新型はじつに1840~1860mmともはやコンパクトとは呼べないほどのサイズとなった。

試乗会はなんと都内。それも目黒駅至近というシチュエーション。比較的狭めの道路が存在する場所だが、カタログ数値ほどの大きさを感じない。直接見える部分の見切りがいいのはもちろんだが、各種センサーやカメラなどのサポートもかなり役立つ。ただ、目黒駅周辺より狭い世田谷、杉並、中野あたりの住宅街ではちょっと持て余しそうな予感もする。

搭載されるエンジンは1.4リットルターボ。最高出力は150馬力、最大トルクは250Nmでデュアルクラッチ式のATモード付き2ペダルMTである6速DSGが組み合わされる。ミッションの効率のよさも手伝って、ドライブフィールはいい。加速も力強く、本来、日本で求められるのはこうしたエンジンフィールのはずなのに、日本のエンジンではこうしたタイプがほとんどないのに残念さを感じる。

ハンドリングはスポーティとまではいかないものの、ドイツ車らしいガッシリとしっかりしたフィーリングだ。直進状態のビシッと引き締まった安定感はこのところの世界のトレンドとなっているが、もともとはドイツ車の売りの部分であった。ティグアンはそのDNAを見事に受け継いでいる。

ただし試乗車のグレードは「Rライン」で、標準車のタイヤサイズが215/65R17なのに対し、Rラインは255/45R19と4サイズも太いタイヤを履く。標準タイプには乗っていないが、ハンドリングはかなり異なるフィーリングとなるはず。

またRラインはエクステリアの装備も豪華で、エアロパーツなどが専用品となっている。価格も標準車が360万円なのに対し、Rラインは463万2000円とプラス100万円を超える価格設定だが、上記のエアロパーツ、タイヤ&ホイールに加えナビシステムやシート、ステアリングなども異なり、内容的には納得のいくもの。コストパフォーマンスを重視するなら標準タイプはお得感がある。

ラゲッジスペースも広々とし、4-2-4分割で拡大できるところも使いやすい。SUVという位置づけだが、その性格はハイトワゴン的で実用性が高く、その味付けはいかにもフォルクスワーゲンらしい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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