【UD クオン 新型】大型トラックを富士スピードウェイで試乗する

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新型クオン試乗会 in 富士スピードウェイ
新型クオン試乗会 in 富士スピードウェイ 全 26 枚 拡大写真

4月11日に発表されたUDトラックスの新型『クオン』。その試乗走行会が、富士スピードウェイの本コースで開催された。通常大型トラックの試乗会は、JARIや自社が持つテストコースが利用される。F1も開催できる国際公認のレースサーキットに大型トラックを持ち込んでの試乗会はめずらしい。

【画像全26枚】

招待されたのは、クオンのオーナーや運送会社関係者とプレス関係者だ。全開走行とはいかないが、下りながらの第1コーナーをはじめ、100R、ヘアピン、ダンロップコーナーから最終コーナーまでのハードな上り坂、ホームストレートと、全長およそ4.5kmのサーキットをフルに使った試乗会となった。

試乗車は、コースを1周しながら、新型エンジン(GH11)、電子制御オートマッチックトランスミッション(ESCOT-VI)、全輪ディスクブレーキ、4段階補助ブレーキ、さらにはバックでの低速制御、クルーズコントロールを体験する。

まず、コックピットだが、新型クオンではメーターパネルが一新されている。メインパネル中央には5インチのマルチディスプレイとなり、ECOモードの各種情報やトリップメーターなどが見やすくなっている。スイッチ類も右側に灯火類や外装に関するもの、左側にADAS機能や走行に関するスイッチを集中させ、操作性を高めている。

最大の特徴は、ついにクオンのシフトレバーがストレートタイプになったことだ。R-N-D-Mの4段階のIパターンセレクターは素早い切り替えが可能で、カチっという手応えも悪くない。M(マニュアル)モードでのシフトチェンジはレバー横にある+、-ボタンを親指で操作する。電子式スイッチのため、速度や回転があっていないとギヤチェンジは行われないので、Mモードは、急こう配など特定ギアホールドで走るとき以外はあまり実用性はなさそうだ。試乗でもマニュアル操作を何度か試したが、ボタン操作とギアチェンジまでのタイムラグがあり、使い込まないと思ったギアでの走行が難しい。

しかし、すべてをESCOT-VI他、クオンの制御に任せればコーナーだろうと坂だろうとギアポジションをあまり考えずに走行できる。しかも、変速ショックがアップ、ダウンともに先代のESCOT-Vより格段にスムースになっている。これは、リアルタイム制御の最低保証遅延時間を改善し、エンジンやトランスミッションの制御がすばやく、きめ細かくなったからだ。上り坂のシフト操作も回転が落ちてぎくしゃくすることがない。

試乗車は390馬力のGH11TBを搭載した新型クオン 冷蔵ウイング(保冷車)仕様。総重量を20トンになるようにウェイトを積んだ状態(冷蔵コンプレッサーオフ)だったが、ECOモードでも発進(3速または4速)から10速(ESCOT-VIは12速)までの加速とシフトチェンジは実にスムースだった。ダンロップコーナーからのカーブが連続する上り坂も、自然なアクセルコントロールで上がっていけた。ギアは6速から8速の間で制御されていた。

さきほどマニュアル操作はシフトボタンとギアチェンジのタイムラグの問題があるといったが、カーブが連続する上り(下り)で顕著になる。ステアリングスポークがメータパネルの一部にかぶってしまいギアポジションの数字が読めないという問題もあった。クオンの場合、エンジンブレーキを効かせたいからとマニュアルモードにするより、ESCOT-VIに任せてブレーキやステアリング操作に集中したほうが安全だ。

新型クオンは4軸、3軸ともに全輪にディスクブレーキを採用し、安全性能と軽量化を実現している。軽量化については積載量で最大200kg増えている。ディスクブレーキの良さは、好みの問題もあるが、踏力に対して効きがリニアなことだ。ドラムブレーキ特有の「カックン」ブレーキがない。これは、サーキットのようなコースだと違いがよくわかる。富士の100R手前の緩い下りでESCOTロール(電子制御で行う燃費向上のための惰性走行)の状態からブレーキ操作によるスピードコントロールが非常にやりやすい。

もっとも、クオンは排気ブレーキも電子制御されている。フットブレーキに加え、排気ブレーキをブレンドさせるので安定した制動力が得られるようになっている。また、排気ブレーキは手動で4段階の切り替えも可能。試乗コースでも、コーナーの手前でうまく使えば、フットブレーキに頼らない減速、スピードコントロールができる。

なお、ホームストレートではクルーズコントロールのテストを行った。30km/hから速度制御が可能になり、15km/hを切ると制御が無効になる。試乗では50km/hくらいからステアリングコラムのセットボタンを押して、+ボタンで60km/hまで設定してみた。ここまでは、従来からの機能なのでなんの問題もなくスムースに加速する。ただし、サーキットは路側帯の白線やセンターラインがなく、前走車なしでの走行だったので、レーン逸脱警報、ふらつき警報装置、前車追従機能(トラフィックアイコントロール)のテストはできなかった。

新型クオンは、エンジン、トランスミッション、ブレーキやフレーム、各種ADAS機能など全面的なリニューアルまたは改良となっている。とくに先代のESCOT-Vからの進化、ストレートパターンのシフトの良さは、だれもが体感できると思う。UDトラックスでは、新型クオンのオーナー向けの試乗会を積極的に展開するとしている。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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