【新聞ウォッチ】仏大統領選、ゴーン氏の高額報酬にも言及したマクロン氏勝利

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マクロン次期フランス大統領(5月7日) (c) Getty Images
マクロン次期フランス大統領(5月7日) (c) Getty Images 全 2 枚 拡大写真

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2017年5月9日付

●仏「親EU」維持、決選投票、大統領にマクロン氏、最年少39歳(読売・1面)

●三菱自、日産部品生産へ、傘下入り後初の協業(読売・10面)

●GW交通量好天で増、高速道路8%、10キロ以上の渋滞355回(読売・37面)

●マクロン氏勝利東証急騰、今年最高値2万円台迫る(朝日・6面)

●進化する自動車、ガソリンから電気へ。エコカー増える選択肢(毎日・14面)

●電動トラックでコンビニに配送セブン導入(日経・1面)

●東南アジア新車販売14%増、3月、2か月連続2ケタ増(日経・13面)

●新型ピックアップトラック、日産、中国で量産開始(日経・13面)

●ニュース一言、ヤナセ・井出社長(日経・15面)

ひとくちコメント

東京都心でも最高気温が27.8度と7月上旬並みの暑さだった今年のゴールデンウイーク(GW)明けのニュースは、フランス大統領選の決選投票の即日開票の結果でもちきりのようだった。

トランプ氏が勝利した米大統領選のような大番狂わせはなかったが、極右、国民戦線のマリーヌ・ルペン候補を大差で下し、選出されたのは欧州連合(EU)との協調を重視する独立系のエマニュエル・マクロン前経済相。

マクロン氏は1977年12月21日生まれの39歳。なんでもファーストレディとなるブリジット夫人が64歳で25歳も年上とは驚いたが、フランス史上で最も若い大統領の誕生である。

きょうの各紙も「25歳上の妻、高校の恩師、金融出身若きエリート」(読売)や「欧州分断を回避、マクロン仏大統領14日就任」(日経)などと、1面、社説などで大きく取り上げている。

株価や為替も敏感に反応した。EUの統合推進を訴えたマクロン氏が勝利したことを好感し、投資家が運用リスクをとる姿勢を強めたことから、株高・円安が進行。日経平均株価の終値は前営業日より450円高い1万9895円70銭と1年5か月ぶりの高値をつけた。為替も一時1ドル124円台をつけるなど円安が加速している。

「産業界、好感広がる」(読売)とのタイトルのように日本の産業界からは歓迎の声が上がったようだが、一方、仏政府の出資先業と提携する日本企業は、マクロン氏の勝利が経営に影響するか気をもんでいるという。

中でも、仏ルノーのカルロス・ゴーン会長兼CEOが会長をつとめる日産自動車と三菱自動車。きょうの日経にも「仏、因縁のマクロン氏勝利、新大統領身構えるゴーン氏」、「『政府介入』再燃の恐れ」との見出しで、ゴーン氏は複雑な思いで結果を眺めていると伝えている。

マクロン氏が経済相時代には仏政府によるルノーに対する経営関与などをめぐり、ゴーン氏と対立した経緯があったからである。2015年の株主総会で、株式を長期保有する株主の議決権の倍増を認める法律の適用阻止を企てたところ、仏政府は事前にルノー株を買い増して議案を否決に追い込んだ。

また、ゴーン氏の報酬を高額すぎると非難し、報酬の減額を訴えたという因縁の間柄。経済政策通とされているマクロン氏の強引な手法で再び仏政府が口出しするのではないかとの恐れもあり、三菱自動車との連携が順調に進んでいるものの、ゴーン氏が描く「覇権へのシナリオ」に狂いが生じる可能性もある。

《福田俊之》

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