【アウディ Q2 試乗】走りの感覚は驚くほどに乗用車…諸星陽一

試乗記 輸入車
アウディ Q2 1.4TFSI
アウディ Q2 1.4TFSI 全 8 枚 拡大写真

アウディのラインアップのなかでもっともコンパクトなSUVとなる『Q2』が4月26日に発表。5月初旬に試乗会が開催された。

現在、日本に導入されているアウディQ2は1リットルモデルと1.4リットルモデル。駆動方式はいずれもFFとなっている。試乗を行ったのは1.4リットルモデル。最高出力は150馬力と1リットルあたり100馬力をオーバー。最大トルクは250Nmでなんと1500~3500回転の間でフラットに発生するというフレキシブルさを誇る。

コンパクトといっても全幅は1795mmとそれなりに幅広。全長は4200mmと短めで、全高も1530mmとSUVとしては低め、最低地上高も180mmと低めの設定となっている。このため乗り込みなどはSUVと考えればかなり楽な部類で、スッと乗り込むことができる。一般的なSUVよりは低めのドライビングポジションだが、同時に試乗した『A5』比べるとそれなりに視線は高く視界は開けている。

走りの感覚は驚くほどに乗用車感覚。今やSUVはラフロードやオフロードを走るためのクルマではなく、SUVというパッケージングが行われたパッセンジャーカーという存在で、パッケージングの一分類と考えたほうがいい。いわゆるジープタイプのSUVや「ランドクルーザー」や「ジムニー」などとは異なる。今回、日本に導入されるモデルは駆動方式もFF。もちろんこのQ2もある程度最低地上高はかせがれているが、そうした設定も走破性よりもパッケージングや乗り心地を重視したものと考えていい。

150馬力のエンジンは低速からしっかりとトルクを発生するタイプで、7速デュアルクラッチのSトロニックとの組み合わせによって、シームレスでスムーズなドライビングを実現している。トルクがフラットに発生するので、加速のフィーリングがとてもジェントルだ。このエンジンはVW『パサート』に使われているもの。つまり、パサートクラスでの使用も可能な性能(静粛性なども含めて)を持っているので、こうしたフィーリングを生み出すのだ。さらに、負荷の少ない定常走行に入ると第2、第3シリンダーが休止、第1、第4シリンダーの燃焼のみでの走行となり燃費をかせぐが、メーター内のインフォメーションを見ていない限り、その作動に気づくことはないほどに2気筒走行もスムーズだ。

荒れた路面を走っていると細かい振動が伝わってくるが、車格を考えればそれほど悪いものではない。いやどちらかと言えばいいものと理解できる。装着されていたタイヤはミシュラン・プライマシー3でサイズは215/55R17。55サイズということを考慮すれば十分な乗り心地だ。ハンドリングは乗用車ライクで、ロールも適度。ボディサイズが小さめなので、タイトなワインディングもヒュンヒュンと走っていける。

カテゴリー的にはコンパクトSUVという比較的リーズナブルなジャンルに属するクルマだが、クルマ全体から伝わってくるイメージにはアウディらしい高級感が漂うのはさすがといったところ。もっとも、このFFの1.4リットルで405万円というプライスなので、高級感がなければ困ってしまうのだが。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. トヨタ カムリ 新型、全車ハイブリッドに…今春米国発売
  2. マツダ、新型3列シートSUV『CX-80』をついに世界初公開 日本導入時期は
  3. ジムニー愛好者必見! ベルサスVV25MXが切り拓く新たなカスタムトレンドPR
  4. シトロエンの新デザイン採用、『C3エアクロス』新型を欧州発表
  5. レクサス『GX』通常販売は今秋に、先行して100台を抽選販売へ 価格は1235万円
  6. トヨタ『ランドクルーザー250』発売、520万円から…特別仕様車も
  7. EVは自宅充電と電気料金プラン選びが大切! 竹岡圭がユアスタンドに聞く、“楽しくお得なEVライフ”のコツPR
  8. 日産はなぜ全固体電池にこだわるのか? 8月にも横浜工場でパイロットプラントを稼働
  9. トヨタ ランドクルーザー250 をモデリスタがカスタム…都会派もアウトドア派も
  10. トヨタ堤工場、2週間生産停止の真相、『プリウス』後席ドア不具合で13万台超リコール[新聞ウォッチ]
ランキングをもっと見る