最新鋭のステルス戦闘機「F-35A ライトニングII」、国内組み立て初号機のテストフライトを実施

航空 企業動向
6月13日午前9時30分、県営名古屋空港を離陸していく「F-35A ライトニングII」の国内組み立て初号機。
6月13日午前9時30分、県営名古屋空港を離陸していく「F-35A ライトニングII」の国内組み立て初号機。 全 20 枚 拡大写真

ロッキード・マーチン(LM社)と三菱重工業は、航空自衛隊が導入を進めている最新鋭のステルス戦闘機「F-35A ライトニングII」のうち、日本国内で最終組み立てを行った機体の初テストフライトを13日に実施した。

F-35Aは、航空自衛隊が「F-4EJ ファントム」の後継として導入を開始した戦闘機。日本は開発に参加しておらず、これまで導入してきた戦闘機のようにライセンス生産も認められていないが、FACO(=Final Assembly and Checkout)と呼ばれる機体の最終組み立てと検査を行なう施設を三菱重工業・小牧南工場内に設置されることはアメリカ国防総省から容認された。海外で製造された胴体部や主翼などのパーツを集約し、名古屋のFACOで組み立てを行なう。

42機の導入が計画されている日本向けF-35Aは「AX」という型番が付与された。AX1からAX4まではアメリカ国内にあるLM社の工場で最終組み立てされているが、AX5以降の38機については名古屋で組み立てが行われる。ただし、AX5については日本でのテストフライトが実施された後、アメリカ国内へ移動させて製造品質等のチェックを行うことになっており、これが完了した後にはアメリカ国内で進められているパイロット養成訓練にも用いられることが予定されている。

F-35シリーズのテストフライトはLM社に所属するパイロットによって行われており、AX5もこれに則ったものとみられる。13日午前9時30分にFACOと隣接する県営名古屋空港を離陸し、約2時間の飛行で基本的な性能を確認するためのテストを行ったようだ。

三菱重工業が手掛けた国産旅客機「MRJ」や、日本が今後開発を進めていく次世代戦闘機に必要とされる技術を試すための実証機「X-2」は時間を掛けて数度の滑走テストを行った後、実際に離陸するというプロセスをとったが、今回のAX-5は滑走テストを行うこともなく、最初から時間の長いフライトを実施している。F-35シリーズはすでに多数の機体が生産されており、「フライトに必要な初期データはすでに取れており、規定どおりに製造されていれば問題なく飛べる」ということはあるのかもしれないが、MRJやX-2の難産ぶりを知る者にとっては非常に衝撃的だった。

LM社によるテストフライトは、同社の規定どおりならばあと3回が予定されている。

《石田真一》

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