【ルマン24時間】トヨタ、わずか30分で2台リタイアの悲劇…各トラブル原因を発表

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
2017ルマン24時間レース
2017ルマン24時間レース 全 4 枚 拡大写真

2017年のルマン24時間レース。夜の走行時間帯に、トヨタ勢を襲った相次いだトラブルについて、TOYOTA GAZOO Racingが現地からの公式レポートで原因を明らかにした。

まず、悲劇の始まりはセバスチャン・ブエミ/アンソニー・デビッドソン/中嶋一貴組の8号車『TS050ハイブリッド』。スタートから7時間45分を迎えるところで、緊急ピットイン。フロント部分から白煙が上がり、消火器で消し止めるほどのものだった。チームによるとモーターとバッテリーに問題があり、その交換作業を実施。マシンを分解しないと交換できないため、作業に2時間を要してしまいトップから29周遅れとなってしまった。

その直後、コース上でのアクシデントに対応するためセーフティカーが導入。そこからレースが再開されるときに、可夢偉が乗る7号車だけ加速できないトラブルが発生。途中何度か止まりながらも、ピットを目指したがポルシェカーブ手前で息絶えてしまい、トップ快走からまさかのリタイアとなった。

そして悲劇は続き、トップに立ったNo.1ポルシェ「919ハイブリッド」を1周差で追いかけていた9号車だが、他クラスのマシンと接触し左リアタイヤがバースト。ちょうど1コーナーでアクシデントが起きたという不運もあり、ピットまで約13km走ってこなければいけない状態だった。

ドライバーを務めていたニコラス・ラピエールはスロー走行でピットを目指したが、ダメージは駆動系にまで及んでおり、一時は出火する場面もみられた。何度も止まっては、再び動き出すのを繰り返したがピットまで1km弱というところで、走行不可能に。こちらもリタイアを余儀なくされた。

7号車の可夢偉はトヨタの公式レポートで「本当に悔しい。TS050ハイブリッドは絶好調で、我々は着実に後続との差を広げていました。セーフティカーが導入されたタイミングで給油のためのピットインを行い、セーフティカーが退出して再スタートが切られた直後、駆動力がかからない症状が発生してしまいました。何とかピットまで戻ろうと努力しましたが、不可能でした。このレースのためにハードワークを続け、これほど速いTS050ハイブリッドを仕上げてくれたチームスタッフの悲しみは察するに余り有るものです」とコメント。

9号車のラピエールも「信じられません。ストレートの終わりで減速をした時にLMP2カーに追突された影響で、リアタイヤがバーストしてしまいました。追突したドライバーも驚いたと思いますが、追突は事実です。チームのためにも走り続けたかったのですが、ピットまで戻れず、本当に残念な気持ちで一杯です」と、悔しさをにじませていた。

なお8号車は、一時総合50番手付近まで後退したが、現在は総合15番手まで挽回している。

《吉田 知弘》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  2. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  3. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  4. 「内装は100点満点」フランス生まれの新型プレミアムハッチ『DS N°4』にSNS注目!「いい、凄くいい」の声
  5. セリカに次ぐ「リフトバック」採用のカローラは、50年経ってもスタイリッシュ【懐かしのカーカタログ】
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る