オリラジ藤森の挫折…『カーズ/クロスロード』の新人ストーム役【インタビュー】

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ライバルの次世代モデル、ジャクソン・ストームの声を吹き替えた、オリエンタルラジオの藤森慎吾
ライバルの次世代モデル、ジャクソン・ストームの声を吹き替えた、オリエンタルラジオの藤森慎吾 全 5 枚 拡大写真

ディズニー/ピクサーのアニメーション映画『カーズ/クロスロード』。次世代レーサーたちとの激しいレースで、主人公マックィーンは大クラッシュしてしまう。日本語版で、ライバルの次世代モデル、ジャクソン・ストームの声を吹き替えたのがお笑いコンビ、オリエンタルラジオの藤森慎吾だ。

<STORY> 天才レーサーのライトニング・マックィーンを待ち受けていたのは、新たなハイテク世代の台頭と、レース人生を揺るがす大クラッシュだった。夢の続きか、それとも新たな道か? マックィーンは新たな相棒クルーズ・ラミレスとともに“人生の岐路”に立ち、運命の決断を迫られる。

先日の記者会見で、今回の吹き替えに「チャラ男」要素はなし、と語っていた藤森。だが、自身の経験とストームの性格とを重ね合わせて、かなり思い入れのある吹き替えになったようだ。藤森のクロスロード・インタビュー。

Q:藤森さんは、吹き替えは『カーズ/クロスロード』が初めてではありませんが、アニメーションということでは、やはりディズニーは大きな存在だと思います。どんな気持ちで今回の吹き替えに臨みましたか。

藤森:とにかく嬉しかった! 世界中で愛される作品ですから。憧れの先輩芸人もやっていましたしね。決まってから情報解禁まで2カ月間あって、言いたくてしょうがなかった(笑)。

#20ストーム(向かって左、黒/青)を追う#95マックィーン(赤)。 (C) 2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
Q:藤森さんが声を演じたジャクソン・ストームは、主人公を追い込む役です。ご自分と通じるような性格はありましたか。

藤森:登場の仕方がオリエンタルラジオと似ているんですよね。勢いと愛されづらいキャラが我々と共通。調子こいて腹たつな~、と(笑)。デビュー当時の自分たちを思い出しました。ああいう状況だと周りが見えない、自分は最強だと思っている。「それではダメだよ」と、ストームに声をかけたくなった。

でも挫折から学ぶんです。いちど落ちないと。僕らがそうだった。鼻を折られた。仕事がなくなる。そういうときに会った人が大切な人になったり……。失敗から新しいことを学ぶんです。

Q:ライバルに追い詰められる思いはどんなものでしょう?

藤森:我々にも浮き沈みがありました。でも何度も復活しました。沈んだり落ちたりするのは、次のジャンプの「タメ」なんです。しゃがんでいるんです。大事なのはめげないこと。確信を持っていれば次のチャンスが来る。

サイクルなんですよ。成功して仕事が忙しくなって考える時間がなくなる、何かが欠落する、仕事がなくなる、そうすると考える時間ができる、と。

#95マックィーンに迫る#20ストーム。 (C) 2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
Q:藤森さんは多芸で、吹き替えも回数を重ねていますが、芸人さんが吹き替えをすることに抵抗のある人が、とくにアニメファンには多いです。

藤森:それはしょうがないですね。根っからのファンはその人なりの世界観をもっているので、反感を持つのは当然だと思います。そういう人にもいちど見て欲しいです。それでメッチャいいと思ってくれればうれしいし、両方の意見があっていい。

いっぽう芸人だからこうやってPRもできるわけで、能力の発揮のしどころです。いろいろな要素で僕にオファーがあったのでしょう。芸人って何でもできる仕事なんです。そして芸人には本当にすごい人がいるんです。そういう人と比べたら僕なんかは「24時間芸人です」なんてとても言えない。その分、柔軟に仕事を引き受けるようにしています。

『カーズ/クロスロード』ポスター (C) 2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
Q:「カーズ」の魅力って何でしょう?

藤森:親子で楽しめますよね。子どもはシンプルに楽しめる。個性的なキャラとか、こどもが好きな色とか、夢中になれる仕掛けが満載です。大人も楽しめる。子どもより楽しめるかもしれない。第1作を見たとき僕は20歳を過ぎていたんですけど、先輩に先輩のお子さんの子守を頼まれて見に行ったんですよ。そしたら自分が夢中になってしまった。

『カーズ/クロスロード』だったら、マックィーンの葛藤、クルーズとの絆、新しい風のストームというように、誰もがどれかのキャラクターに感情移入できる。僕はストームのようなスーパーカーが好きなんですが、ストームの人間臭さは僕そのものですね。ストームの吹き替えは僕にしかできなかった。みなさんに見て欲しい映画です。

Q:藤森さんは車がお好きなのですか? 最近、若者が車に興味をなくしていますが?

藤森:いままで6台乗っています。でも都会なら電車でいいんだよな(笑)。最近の若い人は丸く収まった感じ。テレビに出て来る芸能人もそうで、“スター”じゃないんですよ。昔はスターに夢とか憧れとかがあった。若者に夢を持たせられなかったのは僕の世代の責任かもしれない。

車には夢があるんだよな~。こんないい車でこんな美人とデートして結婚できた、とかないとダメですね。チャラ男は東京渋谷のセンター街をオープンカーでブイブイいわせますよ(笑)。

藤森慎吾。ストームの車体色に合わせた装い。
『カーズ/クロスロード』は監督:ブライアン・フィー、製作総指揮:ジョン・ラセター。ウォルト・ディズニー・ジャパン配給で、7月15日に日本全国公開だ。

《高木啓》

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