トヨタ、純正キャッスルオイルを刷新…全合成油化で摩擦係数を3分の1に低減

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トヨタが純正キャッスルモーターオイルを刷新。新・旧の摩擦を体験してみた
トヨタが純正キャッスルモーターオイルを刷新。新・旧の摩擦を体験してみた 全 5 枚 拡大写真

エンジンの高性能化が進む中、エンジンオイルの果たす役割は重要性を増している。そうしたなか、トヨタは新しいエンジンオイルとして「トヨタ純正キャッスルモーターオイル」の「0W-16」と「0W-20」をモデルチェンジし、新型とした。

従来、トヨタ純正キャッスルオイルは鉱物油ベースであったが、今回の新発売された2種のオイルは、ベースオイルを100%化学合成油に変更。約50%(40度の動粘度比較)の低粘度化を図ったほか、摩擦低減効果のある添加剤を採用し摩擦係数を約3分の1に低減している。

メディア向けに開催された新型『カムリ』の試乗会場には、その効果を体験できる実験装置が置かれていた。実験装置は手回しハンドルの先に金属パーツが押しつけられているもので、通常エンジンオイルが使われる状態に近づけるために約90度に加熱したオイルで潤滑されていた。使われていたオイルは0W-16で、手回しをして感じる抵抗感は新型と旧型で3倍くらいの印象だった。計測器の数値は2Nと5.5Nなので、手で感じる差は意外と正確なものであった。

粘度は従来型と変わらないが、抵抗を下げることができたのは、ホウ素とモリブデンの配合によるもの。従来、モリブデンのみの配合だったが、ホウ素を配合することで、金属面にまずホウ素が付着し、その上にモリブデンが付着するようになり、より効率的に抵抗を下げることが可能となったという。

従来の汎用製品と比べて、新しい「0W-16」は約2.5%、「0W-20」は約2.0%の燃費性能を実現。常温流動性能も向上したことでエンジンの停止~始動が繰り返えされるハイブリッド車やアイドリングストップ車のでの燃費向上にも貢献した。

価格はいずれも4リットル缶で3900円と従来と同等の設定となっている。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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