【WRC 第9戦】トヨタが今季2勝目!! 母国フィンランドで26歳のラッピが初優勝を飾る

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WRC初優勝を飾ったラッピ(右)とコ・ドライバーのヤンネ・フェルム。
WRC初優勝を飾ったラッピ(右)とコ・ドライバーのヤンネ・フェルム。 全 8 枚 拡大写真

世界ラリー選手権(WRC)第9戦「ラリー・フィンランド」が7月27~30日に開催され、トヨタ・ヤリスWRCを駆るエサペッカ・ラッピが自身初のWRC優勝を母国で成し遂げた。トヨタにとってはワークス復帰初年度の2勝目となっている。

ラリー・フィンランドはかつて“1000湖ラリー”の名で知られた由緒あるイベント。高速グラベル戦としても名高く、ある意味ではWRCを象徴する一戦ともいえるだろう。

そして、計6人のドライバーとコ・ドライバーに加えてチーム代表(かつてのWRC王者トミ・マキネン)もフィンランド出身、チーム本拠もこの国にある現在のトヨタワークスにとっては“母国戦”でもある。そこで3台のヤリスWRCが、期待以上といっていいパフォーマンスを発揮した。

エース格の#10 ヤリ-マティ・ラトバラがマシントラブルで大幅な後退(フィニッシュ時点で21位)を強いられたのは残念だったが、#12 エサペッカ・ラッピが優勝し、#11 ユホ・ハンニネンも3位表彰台を獲得。今年、18年ぶりにWRCワークス参戦を再開したトヨタにとっては、第2戦スウェーデン(ラトバラ優勝)以来のシーズン2勝目となった。

ラッピはフィンランド出身の26歳。昨年はWRCのセカンドクラス「WRC2」でチャンピオンにもなった期待の若手だ。ただし今季のトヨタ陣営での当初の役割はテストドライバーのみであり、戦列に加わったのは3台目のヤリスWRCが実戦配備された第6戦から。つまりラッピにとっては今季4戦目での初優勝達成だった。

優勝した#12 ラッピのコメント
「自分は普段、それほど感情的な人間ではないのだけれど、今回ばかりは違う。まったく、なんと素晴らしいラリーだろうか! このような結果を得られるとは想像すらしていなかった。本当に驚いている。短い時間で素晴らしいクルマを作り上げたチームに、心から感謝している」

トミ・マキネン チーム代表のコメント
「土曜日のヤリ-マティ車のトラブルは本当に残念でしたが、それ以外はほぼ完璧な週末でした。今回のラリーで大きく前に進むために、全力を尽くしてくれたチームを誇りに思います。我々はドライバーにとても速いクルマを提供することができましたし、ドライバーは最高の仕事をしてくれました。エサペッカとユホにおめでとうの言葉を贈りたいと思います。私は23年前に自分がこのラリーで初めて勝った時のことをまだ覚えています。あの時の私と同じように、必ずやエサペッカはやってくれると信じていました」

豊田章男 チーム総代表のコメント(抜粋)
「チームにとってもホームラリーと言えるラリー・フィンランドでラッピ選手が優勝という最高の結果を残してくれました。ラッピ選手にとって、初のWRCクラスでの表彰台、それも地元フィンランドで一番高い位置に立つという結果を一緒に祝うことができ、これ以上の喜びはありません。また、ハンニネン選手も自己最高成績となる3位を獲得してくれました。ヤリスWRCはメイン開発ドライバーであった彼なしには生まれていません。おめでとう! とともに、ありがとう! の言葉も彼に贈りたいと思います。学びの年はまだ続きます。あと4戦、これからも世界の道が我々にたくさんの課題を与えてくれるでしょう。そのなかでチーム全員が一丸となって、ヤリスWRCを鍛えていければと思います」

復帰初年度、“学びの年”に手強いライバルが複数いるなかでの2勝、しかもフィンランド戦で勝ったという事実は大きい(もちろん「ホームの利」等々の要因もあったとは思うが)。ラリーの名門トヨタが誇る伝統の力とは不思議なもので、時代を経て、関わる人や組織が入れかわっても健在、というところか。今季残りラウンド、そして早くも来季以降の展開が大いに楽しみになってきた。

今回2位に入ったのはエルフィン・エバンス。WRカー(WRC)で戦う他の上位陣がミシュランタイヤを使うなか、エバンスはD MACKタイヤ装着のフォード・フィエスタWRCで2位に食い込んでいる。

なお、今季のドライバーズチャンピオン争いは、フィンランド戦を終えた時点でティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)とセバスチャン・オジェ(Mスポーツ・フォード)が同点でトップに並ぶこととなった。こちらの展開も今後の4戦、目が離せないものとなりそうだ。

WRCの次戦第10戦はドイツが舞台。8月17~20日の開催となる。

《遠藤俊幸》

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