【ホンダ フィットRS 試乗】MT車でも追従するACCにびっくり…諸星陽一

試乗記 国産車
ホンダ フィットRS ホンダセンシング
ホンダ フィットRS ホンダセンシング 全 11 枚 拡大写真

マイナーチェンジが行われたホンダ『フィット』は、走りの基本性能をグッとアップしている。その最大の要因となったのは、モノコックの強化。モノコック自体を変更したのではなく、要所要所を強化したことによって、全体の剛性がアップ、ピシッと引き締まった走りを実現している。

【画像全11枚】

シャシー関係で言えば、ステアリングベアリング部分の剛性アップ、ショックアブソーバーの最適化、ブレーキペダルまわりの仕様変更などが行われていて、いずれもリニアリティを増す方向でのフィール向上を実現している。とくに微少舵角時の反応がよくなっているのは好感が持てる。後述するが、微少舵角時のフィールアップを行いながらもレーンキープアシストとのマッチングが図られている部分もいい。

RSに搭載される1.5リットルガソリンエンジンは135馬力/155Nmのスペックとなっている。ダウンサイジングターボが多数存在する現在では排気量あたりの出力にさほど驚きはないが、自然吸気でありJC08モード燃費19.2km/リットルを実現しているエンジンであることを考えれば、その高性能さをうかがい知ることができる。

エンジンはホンダらしい高回転までスッキリ吹け上がるフィーリングが魅力。回していけばレッドゾーンの始まる6800回転までしっかりと回ってくれる。ただし、5000回転付近から上はトルク感が薄くなるので、シチュエーションに合わせたシフトアップが効率的になるだろう。クラッチペダルは適度な踏み応えがあっていい。軽すぎるペダルはクラッチミートのタイミングが難しいし、重すぎるものは疲れる。ミッションの入り方もスムーズで、正確に必要な段数をチョイスできる。速く走るだけなら、DCT搭載のダウンサイジングターボのほうが速いかも知れないが、楽しさはやっぱりこっちだろう。サイドブレーキもコンベンショナルなレバー式なので、ジムカーナに参加しても楽しい走りができる。

コーナリング時のクルマの挙動はコーナー入り口からステアリング操作に対して素直や動きをしてくれる。とくにステアリングの切り始めからスッと向きを変えてくれるのは、キビキビ感のある走りができてうれしい部分。回り込んだコーナーで、Gがたまるような状況でもよく粘ってグリップする。乗り心地はちょっと落ち着き感がないが、RSという名前であれば…まあ、許容範囲としよう。

RSにもホンダセンシングは標準。CVTモデルだけでなく6MTモデルにも装備している。衝突回避ブレーキなどの安全機構だけでなく、追従型ACCも6MTできちんと作動するのには驚きだ。

何が驚きかと言うと、かつてのクルーズコントロールは、キャンセル条件として設定されていたのが、スイッチのオフ、ブレーキペダルやサイドブレーキの操作、そしてクラッチペダルの操作も含まれていた。しかし、ホンダセンシングでは追従走行中に速度が落ちたときにはクラッチを踏んでもそのままACCで走行し続けられるのだ。フィットのACCは全車速対応ではなく、30km/h以上となっているから可能なのだが、なかなかどうしてびっくり。先行車が減速したのに会わせ、こちらがググッーっと減速してしまったときも、クラッチを踏んでシフトダウンすることでスムーズに再加速が可能となっている。

また、ホンダセンシングにはレーンキープアシストも含まれている。レーンキープアシストはACCとは別に単独で作動可能だ。レーンキープアシストは走行帯のセンターを保って走るタイプだが、それに固執せず適度なファジー感を持って制御する。ゆるいコーナーはステアリングが自動で切れてコーナーをトレースしていく、タイヤが微少舵角からレスポンスよく反応するタイプなのに、いやらしい挙動を起こさないのは制御のプログラムが上手いからだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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