【ホンダ リベイドE500】ホンダが提供する豊かな生活はクルマだけではない

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ホンダ リベイドE500
ホンダ リベイドE500 全 8 枚 拡大写真

東京モーターショーで参考出品された蓄電池、『E500プロトタイプ』が正式に、『リベイドE500(以下リベイド)』として販売された。価格は7万9920円から(税込み)。年間で3000台の販売を計画している。

◇ホンダが提案する新しい電源の形

新型『N-BOX』の発表会で同時にお披露目されたリベイド。本田技研工業執行役員日本本部長の寺谷公良氏は、「N-BOXは豊かな生活を提供するが、ホンダが提供する豊かな生活はクルマに止まらない」とし、「生活の可能性を広げる商品として、蓄電池のリベイドを発表する。リベイドは電気を屋外に持ち出し、様々なシーンで電気製品が使えるポータブル電源だ」と紹介。

1965年、ホンダは『E300』というエンジン式発電機を発売。「暮らしやレジャーの様々なシーンで、少しでも電気があれば、そう感じたことがある方は多いのではないか。ホンダはそうしたシーンをサポートしたいという想いからの発売だった」とは、本田技術研究所パワープロダクツR&Dセンター機能技術開発室電装・制御ブロック研究員の中田泰弘氏の弁。「それ以降、電気が必要なお客様に向けて商品開発を重ねてきた」という。

そしてもっと使いやすい形を模索する中で、「蓄電池という選択肢が生まれ、2年前の東京モーターショーでコンセプトモデルを出展した」と経緯を語る。そこから様々な意見を参考に、商品化を進め発売に至った。

開発においては、「いつでも、どこでも、気軽に持ち運べる新しい電気の形を目指した」と中田氏。そこでデザインでは 「E300以降、ホンダの発電機で引き継がれている使いやすさを踏まえながら、蓄電池という特徴を生かして、日常アイテムとして屋内外を問わず使えるような、シンプルで親しみやすい表現をした」という。カラーバリエーションは東京モーターショーで人気のあった上位3色、レッド、ホワイト、ブラックが用意された。

リベイドは、定格出力300Wで、約1時間の連続運転が可能だ。充電は家庭用コンセント、またはクルマのアクセサリーソケットから行う。出力は、コンセントとUSBポートを装備しているので、「日頃使っている電気製品がそのまま使える」と中田氏は述べる。また、「商用電力並みに綺麗な波形の電気が出力する。これはホンダ独自の正弦波インバーターを搭載しているので、パソコンなどの精密機器も安心して使えることも特徴だ」とコメント。

更に1台では出力が足りない場合には、2台のE500をつなげたり、エンジン式発電機との並列運転を行ったりすることも可能だ。

また、モーターショー出展後、製品化に至るまでの改良点について中田氏は、「操作面が若干変わった。これは、お客様の使い勝手を考え、使いやすさを重点的に改良した。また、出力を電気として出すことから、その品質を高くしっかりしたものを出せる様に注力した」という。

◇デザインコンセプトはネオモダンコンパクト

リベイドのデザインコンセプトについて、本田技術研究所パワープロダクツR&Dセンター企画・デザイン室デザインブロック研究員の加藤雄也氏は、「“ネオモダンコンパクト”。ホンダ初の発電機であるE300をモチーフに、モダンナイズしたスタイリングで、普段の生活で馴染むよう、シンプルにデザインした。また、普段持ち歩ける程度のサイズに収めたことから“コンパクト”としている」と説明。

そして、「どんなところにでも馴染むようにデザインしている。リベイドが主役ではなく、これを使った生活がメインなので、目立たなくても良いのだ。そこで、質感が高く、シンプルなデザインにしながら、どこででも使えることを意識している」と話す。

今回コンパクトなサイズにしたことで、排熱等も課題となった。実は東京モーターショーに出展したモデルの排熱場所はサイドだった。しかし、自然な空気の流れを考えると、「下から吸って上から吐くのが良い」と加藤氏。熱い空気は上に上がるからだ。そこでリベイドでは、「電池とインバーターの間を通して(空気を)流すように、下側に吸入口を作り、背面の上の方で排出している」。

この背面のデザインにもこだわりがある。「昔からの発電機をモチーフに吸排気する部分をデザイン。しかし、そこは上だけ空気の排出用に穴が開いており、下はダミーだ。つまり、記号性を残しつつも、実際に熱の吸排気が良くなるようにしている」と説明した。

なお、今回販路はホンダ・カーズのみだが、「今後、リベイドの評判、売れ行きを見ながら(ECサイト等)前向きに考えていきたい」(寺谷氏)と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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