【新聞ウォッチ】フランクフルトモーターショー開幕、まるで「EVにあらずんば、クルマにあらず」

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アーバンEVコンセプトを披露するホンダの八郷社長(フランクフルトモーターショー2017)
アーバンEVコンセプトを披露するホンダの八郷社長(フランクフルトモーターショー2017) 全 2 枚 拡大写真

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2017年9月13日付

●欧州EVシフト、環境規制強化で計画続々、ホンダも試作車初公開、独でモーターショー(読売・9面)

●ハイラックス13年ぶり復活、トヨタ(読売・9面)

●パナソニック、銀座にサロン、美容家電ズラリ、無料エステいかが(朝日・6面)

●白バイドライブレコーダー、情報収集力を強化、警視庁(朝日・25面)

●中国「脱ガソリン車」加速、生産・販売禁止を検討「新エネ」にシフト(毎日・6面)

●観光財源確保へ議論、15日初会合、出国税など検討(産経・11面)

●東京モノレール立ち往生、停電、乗客1時間閉じ込め(産経・27面)

●EV関連株世界で上昇、中国ガソリン車禁止検討需要急増の見方(日経・19面)

ひとくちコメント

「平家にあらずんば、人にあらず」という平家物語の一節を借りれば、まるで「EV(電気自動車)にあらずんば、クルマにあらず」とでも表現したいところなのだろうか。ドイツで世界最大級とされている「フランクフルト国際自動車ショー」が開幕したが、独フォルクスワーゲン(VW)は2025年までにEVを50車種投入。自動車の電動化へ向け、2030年までに200億ユーロ(約2兆6000億円)を投資する計画を発表。独ダイムラーも22年までに全車種に電動化モデルを用意する方針を打ち出したという。

きょうの各紙にも、2年に一度の開催で開幕したばかりのフランクフルトモーターショーの見どころなどを取り上げているが、「欧州EVシフト」(読売)をはじめ、「EV移行欧州で加速」(産経)、そして日経も「欧州勢EVシフト鮮明」とのタイトルで、「ガソリン・ディーゼル車禁止の方針を打ち出す国が増えるなか、EVが主役になる時代の到来を印象づけた」と伝えている。

このうち産経は、「電気自動車の導入拡大をめぐり、メーカー各社がアピール合戦を繰り広げている」としながら「欧州勢が『EVシフト』を前面に押し出し、環境規制の強化を急ぐ各国政府などへの売り込みを図る中、日本勢も対応を急がなければ競争力を失いかねない」と指摘。あたかも日本勢がEV開発に出遅れているかのような見方が気になるところだ。

ただ、EVシフトは欧州勢ばかりではない。日経などによると、日本勢ではホンダが欧州で販売している小型車『ジャズ』(日本名『フィット』よりも小さく、都市部での移動に向く量産型EV『アーバンEVコンセプト』を世界初公開。会場でコンセプトカーを発表した八郷隆弘社長は「このモデルをベースにしたEVを19年に欧州で発売する」と述べ、EV強化をアピールしたそうだ。

こうした中、トヨタ自動車の目玉展示はSUVのHV試作車『C-HRハイパワー』。共同配信の毎日の記事によると、欧州法人のヨハン・ファンゼイル社長は「HVはトヨタの強みだ」と強調したと取り上げている。連日のように「EVシフト」の記事ばかりでうんざりしていたが、トヨタの「引き続きHVに力を入れる考えを示した」という“ぶれない戦略”は、食傷気味だったところからやや解放された気分にもなる。

《福田俊之》

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