gogoro(ゴゴロ)の日本初進出の発表は、日本のファッションとトレンドの象徴とされる東京表参道ヒルズで開催された。ただ「世界でもいちばん好きな日本」で、CEOのホレイス・ルーク(Horece Luke)氏は、自社のEVスクーターのスペックについて、ただの一度も説明をしなかった。
かわりにルーク氏の言葉やプロモーションビデオで強調されたのは、同社が環境負荷を低減をけん引するまったく新しい企業であること。それがやがて世の中を変えていくであろうという可能性だった。
「ガソリンベースのスクーターと電気ベースのスクーターと比較すると、汚染物質の排出量が20倍の違いがある。これまで日本のメーカーはガソリンベースで二輪車をリードしてきた。(EVスクーターには)スタートアップとしてのリスクはある。そのリスクは私たちがとる。我々がオープンプラットフォーム事業というのは、すべてのメーカーが我々に代わってくれることで、みんながEVに乗るようになり、アジア、そして世界がよりよい環境になる。最終的には、この世界をよりよい世界にするのが目的だ」
ルーク氏は、自社で製造するEVスクーターをグーグルが開発した情報端末ネクサスに例える。
「私たちが初めてアイデアを話した時はいろんな人が、えっ何、そんなことできるの、と言った。実際に最初の『gogoro1』を作って、こうやってできるんだ、こういう価格帯で経済性も保証できるんだということを理解してもらった。そして、第二世代の『gogoro2』を作り、ほかの企業が持っている採算性、経済性の特徴を持っていて、非常に利便性の高いものにしたこのような技術をさらに展開して、『3』、『4』と広げていくことによって、まさにグーグルがアンドロイド・ネクサスで実現したのと同じことができる」
同社にとって、世界3番目の海外進出先となる沖縄・石垣島には、gogoro2が投入される予定だが、ガソリン車では高コスト要因となる地域ごとの法規制適合も、EVスクーターならプログラミングによる出力調整で、簡単に可能だ。さらに、充電ステーション「ゴーステーション」(GoStation)の配置も、ユーザーの利用履歴などのビッグデータの活用で、使われるほど、より必要とされる場所に集中投下ができる。
ルーク氏はいう。「それでこそ、望ましいエネルギ―循環を地球に対して証明することができるようになる」。
石垣島でスマートスクーターのシェアリングサービスを…