【スズキ RM-Z450】新作シートレールとシートで、ライディングの自由度が高い…車体設計者[インタビュー]

モーターサイクル 新型車
スズキ RM-Z450(2018年モデル)
スズキ RM-Z450(2018年モデル) 全 32 枚 拡大写真

フルモデルチェンジを果たした2018年式スズキ『RM-Z450』。450とは思えないほどスリムな車体のおかげで、前後左右に体を動かしやすい。

【画像全32枚】

それは新作シートレールによるところが大きいと、新型『RM-Z450』の車体を設計した倉林邦成さんが教えてくれた。

「旧型のシートレールは4角形のパイプを用いていましたが、これを6角型にして剛性の最適化を図るとともに、車体のスリム化にも貢献。シートもスポンジ厚を薄くしつつ硬くし、ほぼ同等のクッション性を確保しながら、前後移動がしやすい形状になっています」(倉林さん)

ハンドルがライダー側に近づいたことも操縦しやすくていい。倉林さんによれば「ヘッドパイプ位置は10mm後方へ、ハンドル位置は7mm後方に」ということだ。

また「走る・曲がる・止まる」の基本性能を高めるべく開発された新型だが、特に「曲がる」の性能強化に重点を置いたという。

新設計メインフレームと新作スイングアームの採用とともにディメンションは見直され、1495mmあったホイールベースは1480mmに短縮。ベストバランスを追求し、前後タイヤの重量配分は、前輪54kg(48.2%)、後輪58kg(51.8%)となった。

「シートレールを以前より上方へ配置したことで、必要なエアボックス容量を確保したと同時に、新型のBFRCショックの装着が可能になりました。シートの厚みを調整することで、シート高を極端に上げることなく実現しています」(倉林さん)

SHOWA製の「BFRCショック(バランスフリーリアクッション)」をモトクロス量産車に採用するのは世界初。BFRCは外付けダンピング回路を持ち、ショック内の内圧をバランスさせ均一にする。

ダンピング機構をシリンダー外部に移設することで、伸・圧ともにスムーズかつ最適化されたオイルフローを実現し、ダンピングフォースの反応が向上。これによりトラクション性能の向上とギャップを乗り越えたときの吸収性が格段に向上している。緻密な制御によって低速での快適性と高速での安定性という、一見相反する要素を両立しているのだ。

フロントフォークはエアサスだったのを、SHOWAが改良を進めたことで基本性能が向上したコイルスプリングに戻した。インナーチューブとインナーロッドの大径化により剛性が上がり、大径シリンダーによって応答性とコントロール性を向上した。

タイヤはレースで開発された最新のブリヂストン「BATTLECROSS X30」を装着。吸収性が上がっている。

フューエルタンクをアルミ製から樹脂製にしたほか、ライダーのブーツくるぶしとの当たりが滑らかになるシリンダーとリザーバー部を一体型としたリアマスターシリンダー、ドライブチェーンがより均一に当たるよう形状変更したチェーンガイドなど、細部も徹底的に改良されているのも見逃せない。
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【試乗】コースが狭く感じるほどの凄まじいパワー

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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