【トヨタ ランドクルーザープラド 試乗】“小さいランクル”ではなくなった、頼れる相棒…諸星陽一

試乗記 国産車
トヨタ ランドクルーザープラド
トヨタ ランドクルーザープラド 全 14 枚 拡大写真

2009年に登場、2013年に最初のマイナーチェンジを受けた150系『ランドクルーザープラド』が2度のマイナーチェンジを行った。

今回のマイナーチェンジでは走り系の機能はそのままに、内外装の手直しと安全性の向上が行われた。エクステリアではフロントまわりを中心に変更。グリルとヘッドランプが一体化したデザインとしたことで、より力強さを増強。インテリアではエアコン吹き出し口の上部を下げることで視認性を向上、ナビゲーションをタブレット型の薄い形状にするなどしたほか、センタークラスターやメーターパネルに金属調加飾が追加されている。

クルマに近づいて行くと高級感を向上したエクステリアに気がつき、さらに乗り込むとそれが強調される。現行プラドになる前のプラドはかなり無骨なモデルであったが、2013年に現行にマイチェンされてからはかなりプレミアム感を向上、コンフォート性を増したが、今回のマイナーチェンジでさらにその味付けが増している。とくにナビを中心としたインパネまわりはグッと高級になり、もはや小さなランクルという印象はなくなっている。

プラドの走りはじつにジェントルで、この印象は以前と変わっていない。試乗車はディーゼルターボだが振動、騒音ともによく抑えられてる。低速からしっかりと太いトルクを発生するので、ゆったりとした走りが可能だ。サスペションはよく動き、フリクションも抑えられているので、背の高いセダンという印象すら感じられる。

さらにランドクルーザーシリーズとして初めてリヤトルセンLSDを採用し、5つの走行モードを選択できるドライブモードセレクトを「TZ-G」に標準装備し走破性を向上。ひとたびオフロードセクションに入ると、その高い走破性を享受することになる。サスペションがしっかりと伸び、タイヤが路面を追従するので、安定した走りでセクションクリアが可能だ。さらに各種のデバイスにより、駆動力がグリップしている適正なタイヤに配分されるため、クロスカントリータイヤを履いていなくても、高い走破性を示してくれる。

衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンスP」やドライブスタートコントロールを全車標準装備、ブラインドスポットモニターも新設定し安全性も向上している。

走破性、安全性ともにいざというときに頼りになるポテンシャルを秘めつつも、通常では快適な乗り心地と使い勝手を実現しているランドクルーザープラドは、頼れる相棒感にあふれていた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  4. セリカに次ぐ「リフトバック」採用のカローラは、50年経ってもスタイリッシュ【懐かしのカーカタログ】
  5. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る