【インタビュー】安さだけではない相乗りの価値…notteco 代表取締役社長 東祐太朗氏

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【インタビュー】安さだけではない相乗りの価値…notteco 代表取締役社長 東祐太朗氏
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自動車産業に変革をもたらすカーシェア、ライドシェア。すでに日本でも進みつつあるビジネス事例と並行して、国の取り組みも、規制緩和やルール整備が着々と進行している。シェアリングエコノミーの現状を見極めるべく、キーパーソンにインタビューを実施した。第三回目となる今回は、ライドシェアサービスのトップランナーである株式会社nottecoの代表取締役社長、東祐太朗氏。

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《聞き手:佐藤耕一》
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相乗り相手を探すサービス


---:まずサービス概要についてお聞きします。『notteco』はライドシェアサービスということになりますね。

東祐太朗氏(以下敬称略):はい。これから車で出掛ける人が、空いてる席を販売できるサービスがnottecoです。相乗り相手を探すプラットフォームです。例えば単身赴任の方が自宅に帰る場合、東京から名古屋だと移動に1万円くらいかかりますが、4人で相乗りすれば1人2500円で済むので、ドライバーも安くなるし、乗る方も安く移動できるということでご利用いただいています。それから最近だと、夏フェスのようなイベントと提携していて、同じイベントに参加する同士で相乗りして行きませんか、という使い方も増えています。イベントのウェブサイトの移動手段のところに、電車、バス、notteco、という形で掲載しています。夏フェスなどのイベントは、1日に急に何万人規模で集まるので、電車やバスはすぐ満員になってしまうんですね。いっぽうでイベント主催者側からすると、みんな車で来てしまうと駐車場の確保や渋滞の対応など、いろいろ困ることがでてくるので、相乗りで来てくれると助かる、というニーズもあるんです。

nottecoのビジネスモデル


---:ライドシェアの収益モデルは、法規制も関係があると思いますが、nottecoとしてはどこで収益を挙げるのでしょうか。

東:法規制の前提として、実際にかかるガソリン代・高速代をやり取りする分には問題ないのですが、実費以上のお金のやり取りが発生するとNGになってしまいます。nottecoとしても、事前に登録されたルートから、ガソリン代、高速代のおおよその費用を提示するなど、負担額が実費を超えないような工夫しています。また、サービス内容を国土交通省に見ていただいて、問題ないということを確認しています。そのうえで、ビジネスモデルとしては利用する際に手数料をいただくという形ですが、流通量や供給量が増えないとサービスとして成り立たないので、いまは手数料を取らずに投資をしている段階です。利用者は4万人くらいなので、10万人くらいを目安と考えています。正直まだつかみ切れていませんが、nottecoが一番価値を発揮するところは、不採算で廃止してしまったバスのルートや、移動手段が確立できないようなエリアなので、そういったニーズを取っていきたいです。

夏フェスに相乗りで向かうユーザー


---:現在の4万人の利用者は、どういうニーズで利用しているのでしょうか。

東:例えば単身赴任の方だと、夜行バスは深夜に出て早朝に着くパターンなので、土曜日が一日寝て潰れてしまうというので、nottecoで、夜に出て深夜に着くクルマを探して利用する、という使い方が多いですね。ドライバーは30~40代が約半数、相乗りする方は20代が約半数です。ただイベントになると、イベントの年齢層になるので、音楽イベントでは20代が多くなったりします。最初はコストメリットや、あるいは既存の移動手段が使いにくい、といったきっかけですね。利用者にヒアリングしてみると、例えばイベントの場合、イベント行きの直行バスが用意されているのですが、値段が高く設定されていたり、あるいは満席だったりするので、nottecoを使ってみよう、という例もあります。そうやって一度使っていただくと、同じイベントに参加する人同士なので結構仲良くなったり、趣味の合う人とおしゃべりながらイベントに行きたいということで、リピートしていただいているようです。イベント以外でも、サッカーのサポーター同士で地方のアウェイ戦に行くときなどにも使っていただいていますね。例えば民泊でも、安いから泊まるというのもありますが、誰かと出会えるんじゃないか、ということで利用する方もいますよね。そういった体験がリピートに繋がると思います。


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---:乗せる側の人は、乗る人を選べるんですよね?

東:はい。双方でコミュニケーションを取ってOKとなってから乗るので、気持ちよくコミュニケーションが取れないと断るケースもあります。乗りたいニーズに対して車が足りない状況も多いのですが、ヒッチハイカーを乗せたくて登録する、と言う方もまれにいます。お金はいらないので0円で登録していますね。

---:ユーザー間のトラブルは無いんでしょうか。

東:正直無くは無いです。なので何か行き違いがあった時は、単に良い・悪いではなく、内容を全部報告してもらうようにしています。それを匿名で公開する機能があるので、利用者はそれを見て判断できるようにしています。助手席で寝てても良いのかなとか、気になる人もいるようで、人によって判断が違うこともあるので、投稿内容を見てもらえるようにしました。運転手によって、寝ててくれた方が良いという方もいますし。ブランケットを用意している方や、またはコーヒーあります、充電できます、Wi-Fiありますなど、そういうことをアピールしている方もいます。逆にイベントだと、一緒におしゃべりしながら行きたいという人も多いです。

---:nottecoとしても、イベントのようなきっかけからの流入を増やしていこうとしているんですか?

東:はい。イベントもそうなのですが、都市から地方への移動や、地方から地方への移動は移動手段が限られているので、そこを狙っていきたいです。また地方だと、自治体がカバーしきれない移動の問題もあるので、そういったところにnottecoを使ってもらう取り組みもしたいと考えています。例として、北海道の天塩町と提携したケースでは、住民の方は毎週末、隣町や50キロ離れた稚内まで買い物や所用に行くのですが、移動手段がマイカーしかありません。そこで、そのルートで通勤している方にnottecoに登録していただいて、お年寄りは乗って行けるし、通勤の方もガソリン代が助かる、という取り組みがあります。合理的に考えると、町の人同士で助け合ったほうが、バスを維持するために多額の補助金を払うよりも合理的ですよね。実際に自治体でテストで走らせた時も、良いね、というフィードバックがありました。

いろいろ試せる特区がほしい


---:ライドシェアリング事業は、法規制によって事業内容が制限される部分が大きいと思いますが、実際に事業を展開するうえで、どう感じていますか。

東:ある程度の規模が必要な事業なので、大きく伸びる前に法規制が強くなりすぎると、トライアンドエラーができないので、事業の方向性や展開が難しくなりますね。我々としては、限られたエリアでも良いのでいろんなサービスを試したいです。特区のようなイメージです。特区ができたとすると、単純に距離が短いほうがマーケットが大きいので、中短距離も試してみたい気持ちはありますね。
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《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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