自動運転車が機械式駐車を利用する---新明和工業と群馬大学が共同研究に着手

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自動運転社会のイメージ
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新明和工業と群馬大学は、自動運転車の機械式駐車設備利用実現に向けた共同研究に関する契約を締結したことを発表した。共同研究の期間は2017年12月から2020年9月までの約3年間。

新明和工業は、自動車の普及に伴う都市部での駐車問題に着目し、1963年から機械式駐車設備の開発を行ってきた。以降、利用者にとって「便利」、「快適」、かつ「安全」な駐車設備の開発に取り組み、近年では、電気自動車に対応するべく、業界に先駆けて機械式駐車設備に充電設備を設けるなど、常に自動車社会のニーズに合致したソリューションを提供してきた。

一方、群馬大学では、2016年10月から群馬県桐生市内で自動運転車の公道実証実験を開始したことを皮切りに、同年12月に「次世代モビリティ社会実装研究センター」を設置し、関連分野の企業や自治体等と連携しながら、完全自動運転車をはじめとする次世代モビリティシステムの社会実装に向けた研究に積極的に取り組んでいる。

完全自動運転社会の実現には、公道のみならず、駐車場をはじめとするインフラ側の整備が必要不可欠であることから、前述の群馬大学の取り組みに共感した新明和工業が、同大学の知見を得て自動運転車の受け入れに関する駐車設備の研究を担うことで、今般の共同研究契約締結の運びとなった。

国内において、機械式駐車設備は、都市部を中心にこれまで全メーカー累計で約56万基・305万台の車室が設置されており、今後も高密度化が進む都市環境において機械式駐車設備や周辺設備が自動運転に対応する必然性は高く、これを具現化することで、より便利で安全な自動車の利用を実現する。

機械式駐車設備が自動運転車に対応するメリットとして、車と機械式駐車設備が連携することによって、自動で入出庫が可能となり、これまで煩わしいとされてきた「駐車すること」から解放され「駐車が難しい」といった既成のイメージを払しょくする。また、機械式駐車設備内に人が立ち入る必要がなくなるため、設備内での事故発生リスク低減、および現状よりコンパクトな設備開発が可能になる。

例えば、マンションの機械式駐車設備でもホテルのようなバレーサービスを提供する。外出前に、スマートフォン等から車の出庫を予約時間になると、機械式駐車設備から自動出庫車と機械式駐車設備とが通信し、出庫した車が自動運転で予約した時間にエントランスに到着する。また、帰宅後、車は、自動運転で機械式駐車設備へ、走行車と通信した機械式駐車設備が自動で入庫対応し、駐車が完了するといったように、出かけたい時に、「クルマ」が、「ヒト」を迎えに来る時代となる。

新明和工業と群馬大学は、今後3年間の共同研究期間で、さまざまな機種を対象とした機械式駐車設備への自動入出庫の実証実験や、完全自動運転社会をイメージした駐車場に関連するインフラのコンセプト創出を志向。

併せて、自動車関連企業をはじめ、不動産デベロッパーなど「人と社会環境」、「車」、「駐車場」に関連する業種・産業や自治体にも本取り組みへの参加を促すことで、世界に先駆けた完全自動運転社会の実現に貢献していく。

《平川 亮》

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