新顔アレックス・パロウが健闘の初日4番手タイム…トップは関口雄飛【スーパーフォーミュラ 鈴鹿テスト】

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ナカジマレーシングの64号車に乗り、強い印象を残したA.パロウ。
ナカジマレーシングの64号車に乗り、強い印象を残したA.パロウ。 全 8 枚 拡大写真

6日から始まったスーパーフォーミュラ(SF)鈴鹿テスト、新顔ドライバーのアレックス・パロウがタイミングモニターの上位を賑わせる活躍を見せ、初日の全体4位で“新顔1番時計”となった。初日の全体トップタイムは今季2勝の実力者・関口雄飛がマークしている。

概ね晴れのドライコンディションに恵まれた鈴鹿サーキット。初日はエントリー29人中22人が走行に臨み、総合のトップタイムは2回目のセッション最終盤に関口雄飛(#19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)がマークした1分35秒717だった。

これに中嶋一貴(#37 VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)が1分35秒794で続き、3番手はアンドレ・ロッテラー(#36 VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)の1分36秒015。やはりという感じで今季の優勝経験者たち、上位常連の面々がトップ3を占めたわけだが、そのなかで存在感を示したのは今季の全日本F3選手権でも光る走りを見せてシリーズ3位となったスペイン出身の20歳、新顔のアレックス・パロウ(#64 TCS NAKAJIMA RACING/ホンダ)である。

パロウはこの日、2回目のセッションに登場。1回目にレギュラーの中嶋大祐がセッショントップタイムを刻んだ64号車に乗り、2回目セッション後半にはタイミングモニターの上位を賑わせ、トップの位置を占める場面もあったほど。最後に関口らトップ3に貫禄を見せつけられる格好にはなったものの、1分36秒037で全体4位、新顔の1番時計をマークした。

テストでのタイムや順位があくまで参考というのは言わずもがな、しかも今回はミディアムタイヤに加えてソフトも供給されているため状況は一層複雑ともいえるが(関口と一貴の35秒台はソフト装着時)、寒い時期の“鈴鹿ドライ”は一般的にタイム次元が高くなるコンディション。そこで上位に食い込み続けていくタイム推移を見せたパロウは、いきなりその適性の高さを発揮したと考えてよさそうだ。多くのチームが彼への関心を強くしたことだろう。

今季GP3でシリーズ3位だった福住仁嶺(#15 TEAM MUGEN/ホンダ)も新顔のなかではパロウに次ぐ好印象を残した初日で、ベストタイムは1分36秒536、全体9位だった。FIA-F2で今季2勝の松下信治(#41 DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)は2回目のセッションでコース上に停止、赤旗中断を招くシーンがあるなどして全体14位(1分36秒968)。ただ、福住はもちろんのこと、順調さを欠いたと見られるなかで松下も36秒台に入れてきているあたり、やはり彼らもパロウ同様に高次元スピードへの適性を感じさせている。

走行セッション終了後には、この日がSF初走行だったマキシミリアン・ギュンター(#7 SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)がそのインプレッションを語った。ドイツ出身の20歳、11月のF3世界一決定戦マカオGPで5位に入るなどしているギュンターは1分37秒170がこの日のベストタイムで全体15位、新顔のなかでは4番手だった。ここでいう新顔とは今季の非レギュラー組という意味で、SFでの走行が初とは限らないが、ギュンターはSFが完全に初めてなら鈴鹿も初めて、そしてソフトタイヤ未投入だったこと等を考え併せれば、侮れない実力を見せたともいえるのではないか。

マキシミリアン・ギュンターのコメント
「鈴鹿はチャレンジングでナイスなトラックだね。そしてSFのマシンは、最近テストで乗ったFIA-F2に比べるとダウンフォースが大きくて、タイヤのグリップも高い。トップスピードはF2の方が少し上だと思うけど、SFはコーナーがとても速いマシンだと感じた。今日はいいテストができたと思っている。来年はF3より上のカテゴリーに進みたいと考えているが、まだ何も決まってはいない状況だ。SFは将来F1に進むための準備としても良いカテゴリーだと思ったし、今日のテストでより大きな関心を抱いたよ」

ギュンターは「あと数週で僕の来季のことは決まると思う」と話しており、それから推察すると彼の来季即SF参戦という可能性は高くないように思われるが、全体論として、今季19シートだったところに29人がエントリーしている今回のテストの状況を考えると、この先の来季シート争いはここ数年以上に激戦となりそうだ。

SF鈴鹿テストは明日(7日)までの日程で、2日目も午前10時30分と午後2時から各2時間、計4時間の走行セッションが予定されている。ゆうえんちモートピア入園料(中学生以上の場合1700円)で観覧することができ、パドックエリアまで入場可能となっている(2017年のSF年間シリーズパドックパス所持者は入園無料)。

《遠藤俊幸》

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