OBD2 オービーディーツーって何?…イマドキのクルマの故障修理
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◆自己診断ができるOBD
読者のみなさんは、クルマには自分の不調を診断する機能があることをご存知ですか?
クルマをコンピュータで制御するようになり、電気信号で細かく管理することで、目に見えない部分が多くなりました。そのため、故障した時に何が悪いのか診断するのが難しくなりました。そういった問題などを解決するために開発されたのが、「OBD(オービーディー)」というシステムです。日本語では“自己診断機能”という意味になります。かんたんに言うと、クルマの異常をそのクルマ自身が感知する仕組みです。例えば、エンジンに何らかの異常が発生した場合、コンピュータが「異常の発生を記憶」して、チェックランプを点灯させたり警告音を発したりしてドライバーに知らせます。
◆故障の解析がスムーズに
異常が発生した車両が入庫すると、整備工場では車両に備えられているOBD専用のコネクターに、「スキャンツール」と呼ばれる診断機をつないで異常の内容を読み取ります。
コンピュータに残された異常の記憶を取り出し、データを修理に役立てるわけです。因みに、OBDは「OBD2(オービーディーツー)」にバージョンアップし、規格を共通化したことで、故障箇所や故障内容の解析が容易にできるようになり、これまでよりスムーズに修理を行えるようになりました。取付が義務付けられているので、最近のクルマには必ず装備されています。
◆クルマのあらゆる情報を読み取れる
故障の診断に重宝されるOBD2ですが、実は読み取れるのは異常の記憶だけではありません。車体に取り付けられたセンサーからは、あらゆる情報がコンピュータに集められます。OBD2を介して、例えば、車速やGPS、燃費といったことも読み取ることができるので、ドライブレコーダーやポータブルナビ、レーダー探知機といったカー用品の中には、機能性を高めて差別化を図るために、OBD2の情報を利用した商品が増えてきています。
また、最新のエコカーの整備などでは、単に車体からのデータを読み取るだけでなく、スキャンツールからクルマに信号を送って、整備をする機会も増えています。クルマの進化とともに、整備の方法も今後どんどん進んでいくことになるでしょう。整備をする側にも、こうした進化に対応することが求められています。
<こぼれ話>OBDは公害対策で生まれた?
今では搭載が義務付けられ、クルマの整備には不可欠な存在となっているOBDですが、その歴史は意外と古く、1980年代の終わりにまでさかのぼります。もともとは米国カリフォルニア州で、当時、深刻化していた排気ガスによる大気汚染の問題に対応するため、OBDが持つ故障を検知する機能を利用したのが普及のキッカケでした。本来、公害対策から生まれたシステムが現在のような進化を見せるとは、当時では想像もつかないことだったでしょうね。
【自動車豆知識】OBD2(オービーディーツー)って何?… 知っておきたい“イマドキ”のクルマの故障修理
《カーケアプラス編集部》
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