自動車ガラス修理の難しさ…ダックス×テュフ「愛車を安心して預けられるお店」

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イマドキの自動車ガラス修理の難しさ…「愛車を安心して預けられるお店」の基準とは?
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2月22日、自動車ガラスの補修・交換で知られるダックスが、世界的な第三者認証機関テュフ ラインランドの日本法人テュフ ラインランド ジャパンと、自動車ガラス補修店に関わる監査・認証制度の構築に向けて協業を開始することが判明したのだが、このニュース、クルマを愛する筆者にはちょっとした衝撃を与えた。

ダックスとテュフ ラインランド ジャパンの協業がもたらす意味は大きい

「?」という感想の読者が大半だと思う。だが実はこのニュース、愛車を大切にしている読者にとってとても重要な意味を持ってくるのだ。

イマドキの自動車ガラス事情

「ぶつからないクルマ」というフレーズがすっかり定着し、一気に「自動ブレーキ」という装備を世に広めたスバルのアイサイトに代表されるように、高級車に限らず、小型車や軽自動車に至るまで、イマドキのクルマには先進の安全システムが装備されているのが当り前になっている。が、これらの装備、一体どうやって作動させているかご存知だろうか? ほとんどの場合カメラやレーダーなどのセンサーを使って障害物を認識しているのだが、そうしたセンサー類はフロントガラスの内側に装着されていることが多い。実際に愛車を確認してもらえれば一目瞭然だと思うが、ガラスに異変が生じれば、当然センサー類にも影響が及ぶ可能性が出てくる。また、地デジのアンテナがガラスに埋め込まれていたり、フロントガラスに情報を投影するヘッドアップディスプレイが採用されたりと、ガラスの“多機能”化は進み、修理や交換に対する知識や技術のアップデートが必要になっている。

フロントガラスに障害物を認識するためのカメラが装着されている車両が急速に広まっている
◆正しい知識や今までに無い作業が必要になる

ユーザーにとって安心・安全、便利になった反面、フロントガラス周りに様々な装備が付加されたことで、飛び石などでガラスの交換や補修が必要になった場合には、正しい知識はもちろんだが、今までとは違った作業が必要になってくる。センサー類は正しい位置に正しい状態で装着されていることで、初めて本来の性能が発揮できるので、調整や設定をやり直すことが必須になるのだ。

ガラスの交換や補修には、正しい知識はもちろんだが今までとは違った作業が必要になってくる
正しい知識や技術を持たないままに、以前と同じように、ただガラスの修理や交換だけが行われてしまうと、センサー類が正常に作動しないことに加えて、誤作動を起こし最悪の場合には事故に繋がる可能性だって考えられる。また、使えていた便利な機能が使えなくなることは十分に起こり得る。だが、ユーザーの立場からすると、どの会社が正しい知識や技術を持ち合わせているのかを見分けるのは至難の業だと思う。そこで大事になるのが、冒頭のニュース内容というわけだ。

愛車を安心して預けられるお店の基準

もともとダックスでは、自社の自動車ガラス施工などに関わる検定制度を持ち運用していたが、進化するクルマに対応した高品質のサービスを提供するため、第三者機関による監査・認証制度の構築を進めることにしたという。また、一方のテュフは、BMWグループの鈑金塗装工場を皮切りに、自動車の鈑金塗装工場向けの監査や認証を行ったり、最近ではマツダのレストア事業に関連して、日本でも「クラシックカーガレージ」の認証を開始するなど自動車に関連する分野でも実績があり、幅広い展開をしているという背景がある。

自動車ガラスの補修・交換で知られるダックス
世界的な第三者認証機関テュフラインランド
これだけクルマが進化しているのに、実は、今まで日本国内では、自動車ガラスの補修や交換に関しての監査・認証制度というものは存在しなかった。今回、この2社が協業して監査・認証制度の構築に向けて基準が策定され、最終的に制度が確立されることで、一般ユーザーにとっては、ガラスの修理や交換をする際の「愛車を安心して預けられるお店」を選ぶ一つの“明確な判断基準”ができるという大きなメリットになる。

最新の安全運転技術の普及で、事故件数は目に見える数字で減少している。だが、冷静に考えてみると飛び石が無くなることはなく、ガラス修理の件数が減ることは今のところは無さそうだ。そういった意味でも、今回の発表が持つ意味はますます重要度を増しそうな予感がしてならない。

冒頭のニュースが一般のユーザーにとっても重要な意味を持つ理由、ご理解いただけただろうか? 今後の動向にも、ぜひ注目してみて欲しい。

イマドキの自動車ガラス修理の難しさ…「愛車を安心して預けられるお店」の基準とは?

《カーケアプラス編集部》

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