新日鉄 今井元社長「日本流の経営思想を米国に浸透」…豊田達郎トヨタ元社長「お別れの会」

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豊田達郎氏 お別れの会
豊田達郎氏 お別れの会 全 3 枚 拡大写真

2017年12月30日に88歳で死去したトヨタ自動車の豊田達郎元社長の「お別れの会」が3月1日に都内のホテルで開かれ、同社や自動車業界、政財界関係者らおよそ1700人が故人との別れを惜しんだ。

会では旧制中学から高校、東京大学まで「10年、同じ学び舎で過ごし、経営者としても親交を深めた」という新日本製鉄(現新日鉄住金)元社長で経団連元会長の今井敬氏が友人を代表するかたちで弔辞に立った。今井氏は「達郎君はトヨタの海外展開を自ら切り開いた。GM(ゼネラルモーターズ)との合弁会社『NUMMI』の社長としては役員と従業員の駐車場や食堂を同じにするなど、日本流の経営思想や文化を身をもって米国に浸透させていた。今となっては一般用語の“ステークホルダー”という良い言葉を初めて教えていただいたのも達郎君からだった」と、思い出を語った。

また、トヨタの張富士夫相談役は「社長に就任された時はバブル経済崩壊後の不況のなかで、トヨタも未曾有の危機に直面していた。あなたはあの激動期を“トヨタ第2の創業期”として固い信念と情熱をもって全分野の改革に取り組まれた。今日も自動車産業はグローバルなイノベーションのなかで厳しい局面を迎えているが、企業の発展の要は人を大事にする経営にあるというあなたの考えを次代を担うリーダーが引き継ぎ、新たな挑戦をしていく所存だ」と、述べた。

続いて親族を代表して豊田章男社長が挨拶し、「叔父はNUMMIの社長などを通じ、(豊田)喜一郎の“従業員は家族だ”という言葉を米国で実現したと思う。喜一郎は若くして他界したので、叔父は父親に相談したかったことや聞いてほしかったことが沢山あるはずで、これからは天国で思う存分、家族団らんをしてほしいと思う」と、祖父と叔父に呼び掛けた。

豊田氏は創業者、喜一郎氏の次男で兄は豊田章一郎名誉会長。1953年に東大工学部を卒業し、トヨタ自動車工業から分離して間もないトヨタ自動車販売(現トヨタ自動車)に入社した。84年にはトヨタ初の米国生産拠点となった合弁会社NUMMIの初代社長に就いて現地生産を軌道に乗せ、その後の米国事業拡大の基礎を築いた。88年にトヨタ副社長就任し、92年には章一郎氏の後任として7代目の社長となった。その後、体調を崩し95年には副会長に退き、相談役などを経て2014年から顧問を務めていた。

《池原照雄》

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