三江線廃止後の代替バスは全線で5~10時間程度に…運賃は最大2.1倍に

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代替バス路線の全体像。3区間に分けて基幹路線を設定。重複する既存路線は整理・統合する。
代替バス路線の全体像。3区間に分けて基幹路線を設定。重複する既存路線は整理・統合する。 全 4 枚 拡大写真

国土交通省中国運輸局は3月2日、JR西日本三江線廃止後の「地域公共交通再編実施計画」を同日付けで認定したと発表した。

三江線は江津駅(島根県江津市)と三次駅(広島県三次市)を結ぶ108.1kmの路線で、4月1日付けの廃止が決定している。同線沿線の2県6市町では、鉄道廃止後の地域交通マスタープランを昨年9月に策定し、地域の交通事業者らと代替路線のルートや運行回数などを協議してきた。

認定内容によると、三江線に代わる代替公共交通機関として、一般乗合旅客運送事業者や市町村が運行するバス路線を新設。代替バスと重複する三次市民バスや、江津市・川本町のスクールバスを合理化して一層の効率的な運行を図り、利便性を向上させるとしている。

代替バスは、江津~石見川本間に石見交通が運行する「江津川本線」、石見川本~大和間に大和観光が運行する「川本美郷線」、大和~三次間に備北交通が運行する「作木線」といった基幹路線を新設し、既設の地域路線を整理・統合する。

これにより、平日は代替バスを4本乗り継ぐことで江津~三次間を移動できるが、往復はできないとしている。また、土休日は乗り継ぐ本数が1本減り、江津発着に限り往復が可能になるという。

江津~三次間は、鉄道で4~5時間程度の所要時間だが、代替バスでは乗継ぎ時間に差があることから、5~10時間程度となる見込みだ。

運賃は、鉄道より1.2~2.1倍程度割高になるため、通学生などを対象に、事業者による割引や沿線自治体による負担軽減措置が行なわれる見込みだという。

三江線の代替バス路線は、2023年3月までの計画となっているが、2019年10月には利用状況の検討を行ない、必要な場合は2020年4月に見直しを行なうとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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