VW ポロ 新型…コンパクトカー新時代の幕開け

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VWポロ新型
VWポロ新型 全 16 枚 拡大写真

フォルクスワーゲングループジャパン(以下VGJ)は、8年ぶりにフルモデルチェンジした『ポロ』を発表、販売を開始した。

◇日本でも累計25万台を販売

初代ポロは1975年に登場。これまでに全世界で1400万台以上が販売されるとともに、ワールドカーオブザイヤーを獲得するなど、「世界で最も成功したコンパクトカーのモデルのひとつ」と紹介するのはVGJ広報部の山神浩平氏だ。

日本では1996年より本格導入を開始して以来、「コンパクトなサイズや安全性、デザイン性、そして取り回しの良さなどが高く評価され、シリーズ累計販売台数は25万台を超えている」という。

◇MQBをコンパクトクラスで初採用

新型ポロの最大の特徴は、ポロシリーズで初めてMQBを採用したことで、「クラストップレベルの居住性やユーティリティを実現し、最新のスタイリングに生まれ変わった」と山神氏。さらに、「上級モデルに装備されている数々の先進安全技術や運転支援システムをコンパクトカークラスにも採用し、より安全に便利で快適なクルマへと進化を遂げている」という。このMQBは、フォルクスワーゲンのラインナップの中で『ゴルフ』、『パサート』、『ゴルフトゥーラン』、『ティグアン』、『アルテオン』に続き6モデル目の採用となる。

MQBは、フォルクスワーゲングループのモジュラー化戦略で、主要コンポーネントのモジュラー化をすすめ、開発、生産効率の向上を図ることが目的だ。これにより、部品の共有化、主要技術の共有化、最高水準の強度確保が可能となった。また、MQBはホイールベースやフロントのオーバーハングの縮小拡大が出来ることから、自由度の高いデザイン設計や、ホイールベースの長さを調整することによってクラストップレベルの居住性を確保することも可能だ。主要技術の共有化という点においても、パサートやアルテオンなどの上級モデルに装備されている先進安全装備を搭載することが出来ている。

このMQBを得たことで新型ポロは、先代と比較し、全長は65mm拡大し4060 mm。ホイールベースは80mm延長され2550 mmとなった。「伸びたホイールベースにより、室内空間は格段に広く快適になり、特にリアシートの快適性や乗降性は大幅に向上している」と山神氏。

また、ラゲッジルームも同様にMQBの恩恵を受けており、先代の280リットルから71リットル拡大し、351リットルにったことで、「日常使いとしての実用性を高めた」と述べ、「新型ポロは居住空間とスペース効率の両方において著しく改善を果たし、快適性が向上している」とした。

◇ワイドアンドローで引き締まったエクステリア

ホイールベースが延長された結果、前後ホイールの位置はさらに四隅に配されるとともに、前後のオーバーハングが短くなったことで、エクステリアデザインは「よりパワフルでスポーティなスタイルへと変貌した」と話す。

また、全高が10mm低く、全幅は65mm拡大したことで、ワイドアンドローがより強調された。さらにフロントからリアまで続くプレスラインとフロントフェンダーからテールランプに抜けるプレスラインにより、「低重心に見せるとともに引き締まった印象を与え、塊感のあるスタイリングを実現している」と山神氏はいう。

リア周りについては、「ボリューム感の増したショルダー部分は力強さを表現し、ショルダー部分にまで回り込んだ台形のテールランプによってさらに引き締まったイメージを演出している」と説明。このテールランプはポロシリーズで初めてフルLEDとなっている。

インテリアでは、「これまでの垂直基調のダッシュボードから、大胆な水平基調に変更。直感的な操作性とワイドさの感じられるレイアウトだ」と話す。そして、「ドライバーから見える水平の視線上に、メータークラスターと操作パネルを、そしてその下側にエアベントを配置」。また、「表面に光沢のあるブラック仕上げのインフォテインメントが先進的なコックピットの雰囲気を醸成している」という。同時に、「ドライバーに向けて少し角度のつけたセンターコンソールによりスポーティなコックピットを実現した」とも述べる。

インフォテインメントシステムも刷新された。フォルクスワーゲン純正インフォテインメントシステムのDiscover Proをポロシリーズで初めて採用。8インチディスプレイはダッシュボード上部に配置し、「視認性が高まるとともに視線移動などの点において安全性も高まっている。また操作性においてはセンサーボタンを採用することでスマートフォン感覚での直感的な操作が出来るとともに、ボリューム調整や地図縮尺変更などはダイヤル操作で好みに合わせて微調整が可能だ」と話す。

また、このDiscover Proではスマートフォンを車両とつなぐことで、フォルクスワーゲンオンラインサービスのカーネット、コネクティビティ機能やテレマティクス機能を利用することが可能となり、「新型ポロはこれによりつながるコンパクトカーへと進化を遂げた」とした。

◇先進安全技術は上級車同等

先進安全技術については、先代で全車標準装備だったプリクラッシュブレーキシステムフロントアシストに、新たに歩行者検知機能が追加された。またシリーズで初めて採用しているプロアクティブオキュパントプロテクションやアクティブボンネットも全車標準装備。その他縦列駐車や車庫入れなどをサポートする駐車支援システム、パークアシストなどの先進テクノロジーも今回開発採用し、「上級車種同等の安全性・快適性を実現している」という。なお、ポロはユーロN-CAPにおいても最高評価となる5つ星を獲得している。

新型ポロに搭載されるパワートレインは3気筒1リットルTSIエンジンに乾式の7速DSGが組み合わされる。最高出力は95ps、最大トルクは175Nm。「先代よりパワフルな仕様で、市街地では十分な動力性能を発揮。ロードノイズを抑えた高い静粛性を実現している」と述べる。

最後に山神氏は、「MQBモジュールを活用し、クラストップレベルの居住性やユーティリティ、最先端デザイン、先進安全技術を取り入れた。コンパクトカークラスを超えた新たなベンチマークとして、フォルクスワーゲンにおけるコンパクトカー新時代の幕開けを告げるクルマ」とその完成度に自信を見せた。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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