全自動じゃなくても…人が助ける宅配ロボット、品川でコーヒーをデリバリー

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CarrioTiCAの実証実験
CarrioTiCAの実証実験 全 11 枚 拡大写真

コミュニケーション宅配ロボット「CarrioTiCA」の社会実験が20日、東京品川のオフィス街で実施された。荷物を宅配するだけでなく、人とコミュニケーションがとれ、時には人の助けをかりて目的を達成するロボットビークルがびるの谷間を走った。

「宅配ロボットと遠隔コミュニケーションデバイスを用いた2拠点間の物品配送時における IoAの実装検証」というのが、電通国際情報サービスが行なった実証実験。

実験は、社員がビル19階の会議室からコーヒーの宅配を頼むところから始まり、コーヒーショップ店員がCarrioTiCAにコーヒーを搭載、CarrioTiCAは品川港南エリアの歩道を走り、途中で通行人と言葉を交わし、目的地のビルに入ってエレベーターに乗り、部屋までコーヒーを届けた。最高速度は6km/h、移動距離は約350m。

Carriro TiCAは、ZMPが開発した宅配ロボット「CarriRo Delivery」とイノラボと「TiCA」の2つのテクノロジーが合体したロボットだ。

CarrioTiCAの前頭部についている球体が「TiCA」:Trans-interactive Communication Agentといい、電通国際情報サービスのオープンイノベーションラボ(=イノラボ)と、東京大学の暦本純一教授が共同で研究開発を進めている、遠隔コミュニケーションロボットだ。

TiCAのベースとなるコンセプトが「IoA」:Internet of Abilitiesだ。例えば、ロボットだけでは解決できないような状況でも、人間が遠隔地からロボットに入り込み、周辺の人とコミュニケーションをとることなどによって、現実的なサービスが実現する。このような、人間とAIがお互いの能力を補完しあう社会をIoA(internet of Abilities)と呼ぶ。

実験での検証ポイントは、想定外の事象により自動運転ロボットが走行困難となった際は、TiCAを用いて遠隔から周囲とコミュニケーションをとり、トラブル回避を図ること。例えば進路に人が止まっていると、「すみませんが、そこを通してください」と話しかける。ビルのエントランスで、近くの人に「(セキュリティ)ゲートを開けて、○階まで連れて行ってもらえますか」と依頼する。あるいは、走行中にすれ違う人に「ただいまコーヒーの配達中です」とコミュニケーションをとる。

挨拶を交わしたり、障害物を感知しての停止は自動だ。その障害物をどう解消するか、コミュニケーションが必要な時には人力が介在する。その際も音声は人口音声に転換されており、音声入力からロボット側での発声までタイムラグがあった。

もうひとつの検証ポイントが、ロボットの振る舞いを人がどう受け止め、行動するかということ。イノラボの森田浩史チーフプロデューサーは「今のところ成功。反応は良かった」と評価する。

《高木啓》

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