都会的だけど意外と本格派? マイチェンで進化した「ルノー・キャプチャー」の実力は

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3月にマイナーチェンジしたばかりの「ルノー キャプチャー」
3月にマイナーチェンジしたばかりの「ルノー キャプチャー」 全 46 枚 拡大写真

今の時代、もっとも気軽に乗れるクルマがSUVだといえる。確かにSUVのなかでもヘビーデューティなモデルやマニアックなモデルも存在しているが、それは言ってみれば頂点にあるようなクルマ。SUVの裾野はかなり広く、どちらかと言えば気軽に乗れるモデルのほうが多いと言ってもおかしくない。

ただこの“気軽に乗れる”という言葉には色々な意味がある。一般的に考える気軽さとは普段の足としても使えるというようなことだが、そうしたことだけではなく、セダンでは二の足を踏んでしまうような河原へのエントリーも余裕でこなすとか、思い立ったら500km離れたステーキハウスに躊躇なく出かけられるような、マルチパーパス性こそが本当の気軽さだと言える。

そんな気軽なSUVのなかでもとくにオーラを放つのがルノーのコンパクトSUV『キャプチャー』だ。2014年から日本で販売されているキャプチャーは、SUVらしい背の高い5ドアハッチバックのスタイリングに1.2リットルの4気筒ターボエンジンを積んだモデルで、フランス生まれならではの華のあるデザインと相まって、ひときわ個性を放っている。

◆個性派SUV「ルノー・キャプチャー」がマイナーチェンジ

注目のSUV、ルノー・キャプチャーが2018年3月にマイナーチェンジを受けた。1.2リットルモデルというとかなりコンパクトなボディを想像するかも知れないが、キャプチャーの全長は4135mm、全幅は1780mm、全高は1680mmと堂々としたもの。また、ホイールベースも2605mmと長い。

今回のマイナーチェンジによってヘッドライトはフルLEDとなったほか、Cシェイプを持つLEDデイタイミングランプを装備。フロントにはコーナリングランプ付きのフォグランプ、リヤのフォグランプも立体的なデザインのLEDとなった。さらに前後アンダーはスキッドプレートが追加されたたことによって、よりSUVライクなスタイリングとなった。

ボディカラーも一新。すべてが新色の2トーンとなった。試乗モデルは「イヴォワール+カプチーノメタリック」と呼ばれるもの。ボディメインがイヴォワールというアイボリーに近い色、Aピラーとルーフ、Cシェイプピラー途中までがカプチーノ色、そしてボディ下部がブラックでサイドにはメッキのガーニッシュが装着されている。

存在感がありながら派手さは適度に抑えられたスタイリングで、普段使いでの所有感を満足させてくれるのはもちろん、フォーマルな場所へも気負いせずに乗っていけるだろう。さらに自宅のパーキングスペースに駐車した際にも、前を歩く人が足を止め「オッ」と見入るような独特な雰囲気があり、その場の空気を変える力を感じさせる。

高い着座位置による視界の良さに助けられて取り回しもいい。着座位置は高いがフロアはさほど高くなく、乗り降りは容易。さらに調整量の多いチルト&テレスコピックステアリングによって、理想的なドライビングポジションを得ることができるのもマルだ。アナログ式のタコメーターにデジタル式スピードメーターの組み合わせは、直感的。また、ラジオはR&Goラジオに変更された。R&Goラジオは無償提供されるアプリをスマートフォンにダウンロードすることで、スマートフォン内の音楽を車内に流したり、ナビゲーションを使うことなどが可能。試乗車にはオプションとなるスマートフォンホルダーが装備されていた。

リヤシートもたっぷりしたクッションを持つもので、乗り心地も悪くない。なによりもびっくりなのが、フロントシートのクッション下スペースがかなり高く余裕があること。高さ約17cmのペットボトルを置いてみたところ、あと少しで入りそうな高さ。15cmはあるという感じで、甲高幅広な日本人の足もスッキリと収めてくれる。リヤシートは160mmの前後スライドが可能で、最高単まで下げた際は、ニールーム(前後シート間ピッチの目安)は640mmとクラス最大で、絶対的な広さも十分にある。逆にリヤシートを最前部までスライドさせた状態でリヤシートにチャイルドシートを装着すれば、運転席からチャイルドシートへ手が届くので、子供のケアも行いやすい。

ラゲッジルームはリヤシート最後部の状態で377リットル。120kgの耐荷重を持つ強固なラゲッジボードを下段にセットすれば背の高い荷物も搭載可能。さらにリヤシートを前倒しにすれば最大容量は1235リットルと絶大だ。

◆都会的ながら、その内に秘めた走りのポテンシャルは高い

キャプチャーの1.2リットル4気筒エンジンは直噴式ターボで、低回転から力強いフィーリングを示してくれる。組み合わされるミッションは6速のEDC(エフィシエント・デュアル・クラッチ)だ。発進時からトルクがしっかり路面に伝わり無駄なく駆動力となっている感覚がある。最高出力/最大トルクは118馬力/205Nmで、排気量が1.2リットルと考えればかなり力強いものと考えていい。発信時にアクセルを踏み続ければレッドゾーン直前の5800回転までストレスなく力強く回ってくれる気持ちいい吹け上がりを示す。

デュアルクラッチの特徴であるシームレスなギヤチェンジはアップ、ダウンのどちらも良好。Dレンジで乗っているとギヤが変わったことに気づかないこともあるくらい。セレクトレバーを左側にスライドさせマニュアル操作に切り替えれば、そのシャープさをさらに味わうことができる。

100km/hでのエンジン回転数は2000回転と低め(なんといってもエンジンは1.2リットルなのである)なので、ノイズレベルも全体的に低い。タイヤの路面に対するタッチがちょっと固めだが、マッド&スノー(M+S)タイプが装着されているので、突然の路面状況の変化にもサマータイヤよりも柔軟に対応するだろう。

さらに今回は標準モード、エコモードの従来からある2モードに加えて、「ソフトグラウンドモード」と「エキスパートモード」の2モードを追加。いずれも40km/h程度までで作動するモードで、40km/hを過ぎると標準モード、あるいはエコモードに復帰する発進時(脱出時)モードだ。「ソフトグラウンドモード」ではエンジン出力をクルマが制御しさらに4輪独立ブレーキによりタイヤの空転を抑え発進性能(脱出能力)を高めるモード。「エキスパートモード」は「ソフトグラウンドモード」からエンジンの出力制限をなくしたモードで、上級者のドライブによる発進性能(脱出能力)の向上をねらっている。

都会的で洗練されたスタイリングを持ちながら、その内に秘めた走りのポテンシャルは高く、まさに気軽にいつでも乗れるモデルがルノー・キャプチャー。この春、忘れずチェックしておきたい1台だ。


ルノー・キャプチャー 詳細はこちら(ルノー・ジャポン公式サイト)
http://www.renault.jp/car_lineup/captur/index.html

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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