日本における中古車の検査について【オークネット総合研究所】

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八千代検定センターと教材車両
八千代検定センターと教材車両 全 10 枚 拡大写真

◆自動車販売店で活用される「AIS検定研修」

またAISは、検査事業のほかに研修事業として自動車販売店スタッフ向けに検査技能育成を目的とした「AIS検定」を創設し、「AIS検定研修」を開催している。車両検査専門の第三者機関として、約30年以上に渡り培ってきた中古車検査の経験を活かした「AIS検定研修」の提供を行うことで安心・信頼できる中古車流通の促進に努めている。検定には3級、2級、1級の3階級があり、階級によって担当可能なレベルが異なる。

3級検定は自動車販売員としてのスキルアップを目的に創設された資格で、自動車の製造工程や部位名称などの基礎知識から、ネジ止めパネルや溶接止めパネルの交換歴摘出、また中古車検査で最も重要視されている骨格部位損傷については、修復歴の考え方から摘出のポイントまで、下取り・買取・仕入にも有効な知識を習得できる研修となっている。2級検定は中古車全体にわたる瑕疵(かし)摘出能力を身に付けるために創設された資格であり、車両状態全般を表示する技能修得を目標としている。1級検定は中古車の車両状態全般から評価点を付与することが可能となり、オークション会場での検査業務等で役立つ技能を習得できる研修となっている。

AISでは現在、関東、関西、九州の3か所に検定センターを開設している。ここまで充実した施設を持つところは他にないだろう。2017年の受講実績は2200名超え、累計で約1万8000名以上の方々が受講されている。

今回は、千葉県八千代市にある関東会場を見せていただいた。関東会場の建物は2階建てで、約30台の車両が収容可能なスペースがあり、さまざまな車種が用意されている。これらはすべて研修用の教材となる。セダン、ハッチバック、ミニバンなどボディ形状が多彩で、さまざまなメーカーや年式の車両があるのは、構造が異なることに対処するためだ。

八千代検定センターと教材車両

教材用車両はオークションで仕入れる。受講者の理解を深めるべく、年式や車種だけでなく修理レベル等まで仕入れ条件を細かく設定していることから、教材に適した理想の1台に巡り合うのは実に4000台に1台ぐらいの割合だという。

研修棟は1階がガレージ、2階が教室となっている。まず2階の教室を見せてもらう。部屋の中にはドアやピラー、クロスメンバーなどのパーツが並び、名称を記したラベルが各所に貼り付けてある。部位の呼び名を統一することも大事なのでこうしているそうだ。

さらに机の上にはペーパークラフトが置いてあった。平面の写真や図では分かりにくいという声があり、立体的にイメージしてもらうために用意したという。

実際に使用されているペーパークラフト

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《森口将之》

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