インテルは4月17日、自動運転に向けた取り組みについて説明会を開催した。同社が昨年買収したモービルアイ社の画像認識技術と、インテルの半導体技術のシナジーをあらためてアピールした格好だ。
背景には、自動運転における画像解析技術の重要性が高まっていること、そして自動運転を重要な商機ととらえる同社にとって、この分野で先行する米エヌビディアの有力な競合として存在感を高める狙いがある。
説明会には、同社執行役員 Automotive担当の大野誠氏が登壇し、「自動車向けビジネスは何よりも経験値がモノを言う。インテルが持つインフォテイメント領域での10年間の経験と、モービルアイとのパートナーシップによって強力なソリューションを提供する」と、両社がいかに最良の組み合わせであるかをアピールした。
そして大野氏は、両社が取り組む領域を明確にした。「モービルアイにはカメラの知見がある。インテル&モービルアイとしてはカメラを軸にADASを実現していく。レーダーやライダーと組み合わせることも可能なスケーラブルな仕組みだ。センサーフュージョン用のAtom SoCであるDenvertonの用意もある。」
加えて、モービルアイが自動車メーカーとともに進めるREM(ロードエクスペリエンスマネジメント)についても言及した。REMは、自動車に搭載されたモービルアイのカメラモジュールによって集められたデータをもとに、高精度地図データを生成するものだ。
「モービルアイのカメラを搭載した車両はすでに数百万台が走行している。CESでは、日産と一緒に日本の高速の地図をつくるということを発表した。」(大野氏)。REMプラットフォームにはすでにBMW、フォルクスワーゲンが参加しており、日産においては、同社の『セレナ』『エクストレイル』の「プロパイロット」システムにおいてモービルアイのカメラモジュールを搭載している。
また、このところ運転支援機能に関連した事故が起きているためか、安全性に関しても言及がなされた。
「何よりも重要なのは確実な安全性だ。自動車向けにきちんと確保していく必要がある。我々は機能安全について多くの知見を持っている。自動運転レベル3以降に活かせると考えている。インテルは自動運転に向けて世界最高水準の半導体、エンドツーエンドのプラットフォームを提供できる能力がある。」