レクサス ES 新型を日本導入「LS に近づけるつもりで開発」チーフエンジニア榊原氏…北京モーターショー2018

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新型レクサスESのチーフエンジニア、榊原康裕氏
新型レクサスESのチーフエンジニア、榊原康裕氏 全 10 枚 拡大写真

北京モーターショー2018でワールドプレミアされたレクサスの新型『ES』。最大の話題はこの秋から日本に初導入されることだ。プレスカンファレンス終了後、新型ESのチーフエンジニアである榊原康裕氏がインタビューに応じた。

榊原氏によれば、新型ESは「ESの原点と言える“上質な快適性”をさらに進化させ、新世代レクサスとして、デザインや走りも大きな変革を遂げたクルマ」と表現した。ESは1989年にレクサスがスタートした時から初代が登場しており、新型はその7代目にあたる。榊原氏はそのために「歴代の開発者やお客様を訪ねたりしてあらためてESの勉強した」に励む。その結果ハッキリしたのは「ESに求められているのが優れた快適性」(榊原氏)だったという。

新型ESで特に力を入れたのは「静粛性と乗り心地と広い室内の3つ」で、これは「ESにとっての原点回帰でもある」であると榊原氏は話す。「走りやデザインとかアピールしたいことはたくさんあるが、やはり快適性を忘れたらESではない」(榊原氏)。一方で、「快適なクルマを作るだけで今どき売れるの?」という声が出ることも想定してはいたようだ。「そこは快適性と走りをきっちり両立させて対応している」(榊原氏)と言い、テストドライバーからも「これはもうESじゃない」と良い意味での評価もされたほどだという。

では、ESを日本市場へ初投入するのにはどんな意味があるのだろうか。実は、“日本初投入”とは言うものの、ベースを同じにしたモデルを日本国内でトヨタ『カムリプロミネント』や『ウィンダム』として販売していた時期があった。つまり、正確に言えば「レクサスESという車名で日本に登場するのは初」ということになる。

また、ESは、レクサス全体でモデル別にもっとも多く売れている車種でもある。トヨタによれば、30年間での累計販売台数は218万台にもなり、新型は世界90カ国で販売が予定されている。その意味で、「ESはもっとも鍛え上げられたクルマ」であるのは確か。にもかかわらず「アメリカや中国でたくさん売れているのに、母国の日本で販売していないのはとても寂しい」(榊原氏)。そんな中で「新採用のGA-Kプラットフォームは本来の低重心設計の新型ESは、走りに対する要求度が高い西欧や日本などのお客様にも応えられる。その判断が日本への導入につながった」(榊原氏)のだという。

新型ESの登場により、レクサス全体の車種構成も気になるところだ。なにせ、新型ESのボディサイズは全長4975mm×全幅1865mm×全高1445mm、ホイールベースは2870mmと大幅にサイズアップしている。上級グレードに『LS』や『GS』がある中で新型ESの立ち位置はどうなるのか。上級グレードへの影響はないのだろうか。

これについて榊原氏は「むしろ新型ESはLSに近づけるつもりで開発した」のだという。「『LC』から始まった“すっきりと奥深い味わい”を達成しようとした。ステアリングの反応に遅れがない、荒れた道でも破綻しない、そんな走りを新型ESに持たせ、その感触は限りなくLSに近いと実感できるレベル」だと榊原氏は話す。レクサスは今や車格で性能の上下を決めてはいないようで、その意味で新型ESはグレードを超えた乗り味を実現したクルマということになるのだろう。

ちなみに新型ESが用意するパワートレインは、主として北米市場が対象となる3.5ガソリンエンジンを筆頭に、2.5ハイブリッド、2.5ガソリン、2.0ガソリンの計4つ。このうちに日本に導入されるパワートレインは2.5ハイブリッドとなる。さらにESにはなかった「F SPORT」もラインナップに加わる予定にもなっている。今回の発表にあたっては内装を肉眼で確認することがまだできなかったが、写真で見る限り、外観の流麗さにも見合ったデザインとなっているようだ。

《会田肇》

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