まるで“チョロQ”な2人乗りEV、北京汽車から…北京モーターショー2018

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北京汽車『LITE』。寸詰まりのプロポーションがわかる。
北京汽車『LITE』。寸詰まりのプロポーションがわかる。 全 7 枚 拡大写真

北京汽車(英語名BAIC)は中国の老舗自動車メーカーのひとつで、メルセデスやヒュンダイとの合弁会社をグループ内に持つ大企業だ。同社のイメージはどちらかというと保守的なものだったが、2018年の北京モーターショーには、『チョロQ』のプロポーションをそのまま大きくしたようなパイクカー『LITE』を持ち込んでいた。

LITEはコンセプトカーではなく、4月25日に発売された2人乗りの量産EV。ボディサイズは全長2986mm×全幅1676mm×全高1492mmと、冗談のようなプロポーション。実物を見ても、チョロQがそのまま大きくなった、という表現がピッタリくる。航続距離は、60km/h定速走行で200km、NEDC基準では150kmとされている。

インテリアも特徴的だ。ダッシュボードは、このクラスながら全面液晶を採用しており、メーターやコントロール系のほか、ナビアプリなどがプリインストールされている。そのせいか価格は少々高く感じるもので、10万8800元(約190万円)とされている。

2人乗りのEVで、航続距離も短く、しかもこの値付け。日本の市場では成立しない商品企画だが、現地の女性に意見を聞いてみたところ、「中国は共働きが当たり前なので、子供の送迎用として都心のファミリーの2台目需要があるのでは。ナンバーの取りやすいEVで、渋滞した道も小柄なボディですいすい走れそう。わざわざ電動三輪車をかう家庭もあるが、それよりも安全で快適」とのことで、一定の理解を示していた。

北京汽車のブースではもう一台、目を惹くEVが展示されていた。電池交換式のEVだ。2分30秒で交換が完了する、というデモが行われていた。こちらもコンセプトカーではなく、すでに公道を走り回っており、電池交換ステーションも稼働しているという。説明員によると、「タクシーとして利用されており、北京で3000台、そのほか厦門、広州、温州などを合わせると全国で5000台が走っている。電池交換ステーションは、北京に83か所、全国で100か所稼働中」とのことだ。

EVを作ればいい、という時期を経て、中国では、EVの商品企画や運用面でも着々と経験値を積み上げるフェーズに入ったようだ。
5月16日開催【北京モーターショー報告と中国のEV、自動運転セミナー】

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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