総額の半分を田園都市線の設備更新に投入…東急の2018年度鉄軌道事業設備投資計画
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昨年度は、田園都市線で輸送障害が相次いで発生したことから、11月から3月にかけて同線で行なわれた緊急安全総点検の結果を踏まえ、鉄道運転事故や輸送障害などを未然に防止する安全対策に重点を置くとしており、総額のほぼ半分に相当する310億円を投入。地下区間を中心に、き電ケーブル短絡防止や電車線調整器、排煙設備などの大規模な設備更新を実施。点検方法や点検周期も見直す。
また、輸送障害時の影響を最小限に食い止めるため、2020年度を目途に用賀~二子玉川間に折返し設備の増設を進める。
安全対策としては、田園都市線を中心とした12駅にホームドアを設置し、ホームにおける人身事故をゼロにすることを目指す。
また、踏切においては、立体的に障害物を検知できる「3D式踏切障害物検知装置」を大井町線や目黒線などの踏切に増設する。
保安面では、2022年の供用開始を目指して、東横線で東急初のデジタルATCを整備。先行列車との距離情報を追加することで、きめ細かな運行間隔の調整が可能となるため、ラッシュ時の遅延回復や定時運行の実現が図りやすくなるという。
車両面では、今年3月、田園都市線に登場した2020系をさらに6編成投入するほか、池上線や東急多摩川線では7000系を6編成投入し、旧型の7700系をすべて置き換える。
なお、6020系を使用する大井町線の平日夜の有料座席指定サービスは、冬に開始する予定としている。
このほか、渋谷駅(東京都渋谷区)では6番出入口の地下2階から地上のスクランブル交差点付近につながるエレベーターの供用を開始。田園都市線では、東京都世田谷区内の三軒茶屋駅や桜新町駅でエレベーターの増設、宮前平駅(川崎市宮前区)や江田駅(横浜市青葉区)でエスカレーターの整備をそれぞれ進める。
《佐藤正樹(キハユニ工房)》