世界遺産・高野山への足が54年ぶりにリニューアル…南海高野山ケーブルに和洋折衷の新型車

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新型車は朱色ベースの2両編成で、塗色は特急『こうや』や現在の車両のイメージを引き継ぐもの。左の1号車は白のライン、右の2号車はオレンジのラインを配しており、1号車は高野山の神社仏閣を、2号車は高野山の緑に溶け込むデザインとする。
新型車は朱色ベースの2両編成で、塗色は特急『こうや』や現在の車両のイメージを引き継ぐもの。左の1号車は白のライン、右の2号車はオレンジのラインを配しており、1号車は高野山の神社仏閣を、2号車は高野山の緑に溶け込むデザインとする。 全 2 枚 拡大写真

南海電気鉄道(南海)は6月6日、南海鋼索線(高野山ケーブル)に新型車両を導入すると発表した。

高野山ケーブルは、1930年、高野山電気鉄道により開業した和歌山県高野町の極楽橋駅と高野山駅を結ぶ0.8kmの路線で、世界遺産・高野山への足として、高低差328mの両駅間をおよそ5分で結んでいる。

3代目にあたる現在の車両は1964年製で、高野山ケーブル初の2両編成車として登場したが、以来、54年が経過していることから、「期待感」「癒し・調和」「安全・安心」という3つのコンセプトに基づいた、長さ14m級の車両が2両編成2本導入されることになった。

車体はスイスのキャビンメーカーであるCWA社が手がけており、欧州風の流線型デザインに、高野山壇上伽藍の根本大塔をイメージした朱色を絡めたもので、世界遺産・高野山への「期待感」を醸成する和洋折衷とする。

車内は、「癒し・調和」を演出するため木目調の内装とし、座席は格子状の背もたれを付けたものとする。また、窓は、高野山の四季折々の車窓を楽しめるように、大型のものを採り入れて眺望性を向上。車体前面は大型曲面ガラスとして、ケーブルカーが上り下りする際の臨場感を演出する。

「安全・安心」としては、床面を滑りにくい材質とし、乗降用扉の幅は、電動車いす利用者に対応して従来の750mmから900mmに拡大。車いすスペースも設置する。

なお、この新型車両の導入に伴ない、車両を引き上げる、ケーブルカーの心臓部ともいえる「巻上げ機」などの設備も新造するため、11月26日から2019年2月下旬までは高野山ケーブルの運行を休止する。その間はバスによる代行輸送が行なわれる。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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