気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2018年7月11日付
●西日本豪雨浸水の岡山・真備被害深刻、死者158人、不明56人(読売・1面)
●石油元売り2強体制、出光・昭和シェル統合へ(読売・1面)
●スバル報告書出遅れ、燃費・排ガス不正、国内販売不振続く(読売・8面)
●テスラ上海に工場、中国で報道、EV年50万台生産(朝日・8面)
●マツダ操業休止長期化か、西日本豪雨、部品調達困難に(朝日・8面)
●社説・日産の不正企業体質の転換進めよ(日産・12面)
●スバル「世界販売130万台」25年度計画、今年度比で18%増(毎日・7面)
●さあ開幕、第89回、都市対抗野球大会(毎日・25面)
●小田急・ロマンスカー、最後のLSE勇退(毎日・29面)
●配車グラブ、メニュー拡充、提携加速、まず、ネット通販(日経・11面)
●日産完成検査骨抜き、不適格車、本来は再検査、データ改ざん(日経・12面)
ひとくちコメント
昭和シェル石油との経営統合をめぐり出光興産とその創業家の対立がようやく解消し、出光興産と昭和シェル石油が、2019年4月に株式交換を通じて経営統合すると正式に発表した。
出光が、統合に反対していた創業家側の主要株主から賛同を取り付けたためで、3年越しの統合協議が事実上決着したことで、国内石油業界は首位JXTGホールディングス(HD)との2強体制に再編される。
出光と昭和シェルの統合発表のニュースは、7月10日の夕刊でも速報されたが、それによると、出光は株式交換で昭和シェルを完全子会社化し、統合後の社名は登記上「出光興産」とし、事業上の通称は「出光昭和シェル」を使うという。また、統合後の取締役は出光側から5人、昭和シェル側から3人とする。両社は、それぞれ18年12月をめどに臨時株主総会を開き承認を求めるそうだ。
きょうの各紙も「石油元売り2強体制」、「創業家の条件受け入れ、残る反対論経営に影」(読売)をはじめ、「出光経営陣が譲歩、決着」、「膠着3年創業家に配慮」(朝日)や「創業家翻意村上氏後押し」、「迷走3年やっと収束」(毎日)などと、解説記事を詳しく取り上げている。
それにしても、あすの見通しもつきにくいほど経営環境が不透明な中で、トップの経営判断も超スピート時代を迎えている。だが、今回の出光と昭和シェルの場合は、大株主の創業家と物別れに終わらず最終的に決着したとはいえ、合意まで膠着状態が3年も続いた合併劇はあまり例がない。