「スクランブラー」がいま、ストリートで注目を集めている。1950~60年代に悪路を走るために生まれたスタイルだが、これを現代風にアレンジし新しい魅力を持ってブレイク中だ。
ドゥカティは1962年に北米向けに『スクランブラー』をリリースし、68年には自身の国イタリアでも発売し人気を博した。そんな歴史を持つドゥカティは、2015年に803ccの空冷L型ツインエンジンを搭載した「アイコン」「クラシック」「アーバン・エンデューロ」「フル・スロットル」という4つのスクランブラーを蘇らせて、バイクファンを唸らせると、翌16年には普通2輪免許で乗れる400ccモデル『スクランブラー Sixty2』もラインナップに加えた。
そして7月14日、そのファミリーの最高峰モデルとして『スクランブラー1100』を発売する。
空冷L型2気筒エンジンは1079ccの排気量を持ち、『スクランブラー アイコン』より13ps上回る最高出力86psを発揮。スクランブラーが3つの排気量のエンジン(250cc、350cc、450cc)でシリーズ化されていた1960年代と同じように、現代でも再び3兄弟(400cc、800cc、1100cc)となるのだ。
◆足りないものがあった、そこで今回の「1100」
ドゥカティジャパンは7月6日、ドゥカティ・スクランブラー1100プレスカンファレンス(製品説明会)を川崎市で開催。『スクランブラー1100』のPM=プロダクトマネージャー、カノーザ・ロッコ氏はまず、スクランブラーシリーズの生産台数が4万6000台にのぼり、ドゥカティ全体の30%を占める成功を収めていることを説明した。
また、カノーザ氏はこう言う。
「なにか1つ足りないものがありましたが、トップレンジとして1100を加えることでコンプリートできました。大型エンジンを採用したことで低回転からトルクが太く出ていて、スクランブラーのコンセプトである“EASY TO RIDE”にマッチしたパフォーマンスを発揮しています」
「排気量が大きいだけでなく、トラクションコントロールやであったりコーナリングABSなど数々の先進的な電子デパイスを搭載し、お客様がより満足できるものとなっていると思います」
「そして、ティアドロップ形状のガソリンタンク、バナナシートと僕らが言っている個性的なシート、ワイドなハンドルバー、オフロード走行に適したブロックパターンのノビータイヤといったスクランブラーに相応しい装備を持っています。誰が見てもスクランブラーだと分かるスタイルなのです」
「ドゥカティ・スクランブラーの走る楽しさを拡大したモデルで、ラインナップ中もっとも豪華で、もっとも上質に仕上がっています。パフォーマンスを追求したのではなく、“レースのための”モデルでもありませんが、何事にも妥協したくない人たちのためのモデルです」
◆爽快なライディングのパートナーに
カノーザ氏は、さらにこう続ける。
「ライダーのさらなる欲望を追求した結果として誕生しました。あらゆるコーナーを楽しみたいライダーのためのモデルでもあります。高性能でトルクフルなエンジンと安全性を高めた機能により、見知らぬコーナーが連続する道でも、エキサイティングな走りを楽しめます。ライダーの自信を高め、爽快なライディングを実現するパートナーとなるのです」(カノーザ氏)
スクランブラー1100は3タイプ設定され、アルミ鋳造ホイールにマルゾッキのフロントフォークとKYBリアショックとしたスタンダードのほかに、前後ホイールをクロススポーク仕様とした『スクランブラー1100スペシャル』、そしてアルミ鍛造ホイールを履き、前後サスペンションをオーリンズ製にグレードアップした『スクランブラー1100スポーツ』もラインナップされる。
ドゥカティのスクランブラーが、盤石の構えだ。