ポルシェユーザーの評判が評判を呼び ADVAN がある…オートモビルカウンシル2018

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HF type Dはじめ、オートモビルカウンシル来場者に知ってほしいタイヤが展示される。
HF type Dはじめ、オートモビルカウンシル来場者に知ってほしいタイヤが展示される。 全 8 枚 拡大写真

オートモビルカウンシル2018のADVAN横浜ゴムブースでは、昨年復活を果たしたヒストリックカー向けタイヤ、ADVAN『HFタイプD』の展示のほか、ブランドの歴史をたどることができる。

ADVAN HFタイプDは、かつて一世を風靡したADVANブランドを、金型から新設計して2017年に復刻させたタイヤである。パターンナンバー「A008」というこのタイヤのオリジナルの登場は1981年までさかのぼる。クルマが走りの良さを追求する場合、現代以上にタイヤへの依存度が高かった当時、左右非対称パターンも採用して、クルマ好きの間にファンが多かったタイヤである。

1970年代から、もとは馬小屋だったという小さなガレージを本拠に構え、ニュルブルクリンクでのテストも重ねるなど、タイヤの立場からクルマの走りを追求してきたADVAN。このA008というパターンナンバーのタイヤの良さを、ドイツのポルシェユーザーも見逃さなかった。その評判がメーカーのポルシェにも届くことになる。

それでもポルシェがメーカーとして採用するためには改善しなければならない部分も少なくなく、そういった個所を改善して、1988年、「タイプ964」と呼ばれる『911』から純正採用されたタイヤが「A008P」だ。

以降、ADVANは2005年にニュルブルクリンクのテストセンターも開設。数々のプレミアムカーに供給する中、ポルシェで純正採用される中では、最も多くのサイズバリエーションを供給しているタイヤサプライヤーなのだという。

今でこそ口コミで広まるマーケティング手法の有効性は誰しもが知っているが、現在のADVANがあるのはそんな口コミがあってこそだ。そして、ADVANの歴史にポルシェあり。そういう歴史をオートモビルカウンシルの横浜ゴムブースでは見ることができる。

「旧車でネックになるのがパーツの確保。タイヤの確保も例外ではありません。現代のクルマ向けのタイヤでは、パターンデザインなどの面で若干浮いてしまうこともあります。そこで、最新の技術も加味しつつ、あんまり性能を突出させすぎても、古いクルマのボディを痛めてしまいかねないので、そうした塩梅もしたクラシックカー用タイヤが、HFタイプDです」と担当者は話す。

「かつて、オリジナルのこのタイヤがあったから、ポルシェファンの心をつかみ、A008Pの誕生に至り、今も幅広いラインナップをポルシェに供給するタイヤメーカーになった、というこのタイヤ自体のストーリーもまた、ヘリテージです」

《中込健太郎》

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