グンサイ用セッティングで決めてきたGT-R NISMO 2017 Nアタック に試乗

試乗記 国産車
GT-R NISMO 2017 Nアタック
GT-R NISMO 2017 Nアタック 全 14 枚 拡大写真

群馬サイクルスポーツセンターで行われるワークスチューン試乗会の名物となっているのが、NISMOが持ち込む『GT-R』。今年の仕様は2017モデルのGT-R NISMOにNアタックパッケージAキットを装着したもの。

ベースモデルのGT-R NISMOが1877万5800円、そこに総額900万円のNアタックパッケージAキットが装着されたモデルである。NアタックパッケージAキットとはニュルブルクリンクで量産車世界最速を記録した際のパーツをパッケージ化したもので、インタークーラーのカーボンパイピングやECM、TCM、前後LSD、足まわり、ブレーキ、エアロパーツ、そしてフルバケットシート…などなどすべてが専用品となっている。

ニュルアタックの際よりはサスペンションはバネレートを硬め、ダンパーを柔らかめにセット、NISMO専用タイヤではなくGT-Rの純正ノーマルタイヤを履かせていた。このセットのほうが路面追従性がアップし、群馬サイクルスポーツセンターの荒れた路面にはマッチするとのこと。

スプリングを硬くしているのは、とにかく路面コンタクトを重要視するため、スプリングを硬くすれば、サスペションは伸びたがってどんどん路面に向かって動く。ダンパーを柔らかくするのはその動きを抑制しないためと言える。昨年のモデルはニュルアタック仕様に近いものだったので、スピードを上げないと跳ねてしまう感じが強かったが、今年のモデルは割合低めの速度でも乗りやすい印象。とはいえ、600馬力のエンジンを積んだ約3000万円のマシンを、リスキーな群馬サイクルスポーツセンターでは、そんなにペースは上げられない。このモデルの真価を知るには、GT500ドライバーレベルのスキルが必要だろう。

そこで、毎年のお楽しみとなっているイベント。NISMOアンバサダーでこのGT-Rのセッティングを担当、ニュルアタックで世界最速をたたき出したミハエル・クルムのドライブで助手席に同乗した。

GT-Rでは超タイトとも言えるグンサイのコースをマシン解説を交えながらも全開走行するクルムのドライビングは秀逸の極みであることは間違いない。クルムは、GT-Rの走る、曲がる、止まるの性能を余すことなく引き出す。ドライビングも別次元なら、そのドライビングを正確に受け止めるGT-Rもまた別次元。大なたのパワーを持ちながら、カミソリの正確さを備えるハンドリングは世界一流のものと言って間違いない。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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