アメリカの自動車部品メーカーであるクーパー・スタンダード社の日本法人は9月4日、横浜市に新本社およびエンジニアリングセンターを開設した。
クーパー・スタンダード社のジェフリー・エドワーズ会長兼CEOは同日行われた開所式で「我々にとって戦略的に非常に大切な拠点となる。世界それぞれの主要な地域でサポートしていくうえでも非常に重要な開設となる」とあいさつ。
さらに「我々のテクノロジーセンターでは開発テストを最新の材料科学をもとにひとつの施設で行えるようになっている。そこで証明された革新技術をお客様の要望に合うよう、この横浜でお客様とコラボレーションして、お客様に合った製品を提供していければと思っている」と述べた。
クーパー・スタンダード社は米ミシガン州ノバイに本社を置き、シーリングシステムを始め、燃料やブレーキホース、防振システムなどを手掛け、シーリングシステムでは世界シェア1位。20か国に120以上の拠点を展開し、2017年度の売り上げは36億ドル。このうち日本の自動車メーカーへの売上比率は5%未満にとどまっているが、エドワーズ会長は「10年かけて2倍にしていく目標」を掲げている。
また日本法人の山崎岩男代表取締役は開所式で「クーパー・スタンダード・オートモーティブ・ジャパンは2006年に名古屋でスタートし、2015年には東京、そして今回、規模を拡大して横浜へ本社を移転した。これまでは事務所機能だけだったが、横浜本社はエンジニアリングセンターを併設することになり、今まで以上に日本のお客様への技術提案、プロジェクト開発サポートを強化することが可能になる」と述べた。
横浜本社の人員は現在、14名でこのうちエンジニアは6名となっている。横浜本社に併設されたエンジニアリングセンターでは、試作品として顧客に納めている製品の検査や、他社製品の調査などを行うという。
山崎代表は「2021年にはエンジニアを26名以上まで増やし、製品のフル評価およびフル試作ができるような体制に整えていく」とし、その過程でエンジニアリングセンターを横浜本社から移転、拡張する計画も明らかにした。
さらに山崎代表は「EVへのシフトが鮮明になり自動車の構造が劇的に変化しつつある」とした上で、軽量で遮音性能が高いシール材の『フォートレックス』や『アーマーホース』と名付けた耐摩耗性に優れ、多様な接続技術にも対応できる軽量ホースといった独自技術の製品を「日本の自動車メーカーに提案したい」と述べていた。