【BMW X2 試乗】いなせな存在感に惹かれた…島崎七生人

試乗記 輸入車
BMW X2 xDrive20i M Sport X
BMW X2 xDrive20i M Sport X 全 10 枚 拡大写真

今風に言うなら、イケてるクルマ


鯔背(いなせ)なクルマ……が第1印象。今風(?)に言うなら、イケてるクルマ。いずれにしろBMWとしては新境地というか、堅苦しい蘊蓄(うんちく)抜きで選んで、乗っても、それはそれで楽しめそうなクルマ、である。

外観はルーフ高をギュッと抑えた精悍なフォルムがインパクトを放つ。「M Sport X」は19インチの大径タイヤ&ホイールが標準だから、なおさら相対的にキャビンとボディが引き締まってみえる。両サイドCピラー部にロゴエンブレムが装着されるのは、近年なら『Z4』やボンドカーの『Z8』など(のフェンダー部)でも見られたデザイン。

フロントのキドニーグリルの形状も新しい。が、冒頭に鯔背と書いたとおり、全体として軽々しく羽目を外していないキリッとシャープなスタイリングで好感がもてるし、同時にヒエラルキーとは無縁なムードがあるのもいい。

ミニのようなBMWというべきか


インテリアは、乗り込んだ瞬間にBMWに乗ったことを実感させてくれるデザイン、匂い、質感だ。運転席は高さを僅かに上げるとフードが視界に入り運転しやすい。後席は足元のセンタートンネルこそやや高めだが、身体全体を安定した姿勢で受け止めてくれるシートがよく、ルーフが後方まで伸び、頭上空間も予想以上の余裕。ドアガラスも全開で下まで下りきる。余裕はラゲッジスペースもそうで、このクルマが“Xライン”の一員であることの証明だ。

4気筒の2リットル・ツインパワーターボ(192ps/28.6kgm)+8速ATをパワートレーンにもち、駆動方式に4WDを採用する走りは、スムースで安定感の高いもの。標準のスポーツサスペンションは、走り始めた直後こそ締め上げられた感触をおぼえたが、走り込むうちにスグに身体に馴染んだ。

逆説的だがミニのようなBMWというべきか、無駄のない挙動と質感の高いドライバビリティの両面が味わえる乗り味。エンジンは低速からレスポンスがシャープで余力も十分といったところだが、車重がさらに120kg軽い“18i”は、さらに軽快さが味わえるにちがいない、とも予想を立ててみた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. マツダ、電動セダン『EZ-6』世界初公開、24年発売へ SUVコンセプトも…北京モーターショー2024
  2. スバルとスカイラインにフィーチャー…第4回アリオ上尾 昭和平成オールドカー展示会
  3. 【ホンダ ヴェゼル 改良新型】開発責任者に聞いた、改良に求められた「バリュー」と「世界観」とは
  4. トヨタが新型BEVの『bZ3C』と『bZ3X』を世界初公開…北京モーターショー2024
  5. タイヤブランドGTラジアルよりオールシーズンタイヤ「4シーズンズ」発売
  6. 日産、北京モーターショー2024で新エネルギー車のコンセプトカー4車種を公開
  7. アルファロメオ『ステルヴィオ』後継モデルは、大容量バッテリー搭載で航続700km実現か
  8. Sズキが電動マッサージ器を「魔改造」、25mドラッグレースに挑戦!!
  9. BMWの4ドアクーペEV『i4』、改良新型は表情変化…北京モーターショー2024
  10. 郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
ランキングをもっと見る