変わらないことが継続できる理由であり魅力…The 31st MG DAY KARUIZAWA開催

戦前のMGたち
戦前のMGたち全 16 枚

10月13日、好天の中、ホテル鹿島の森(長野県北佐久郡)において、31回目となるMG DAY KARUIZAWAが開催された。主催はMG Car Club Japan Center。

1973年に高輪プリンスホテルで初開催されたMG DAY。現会場となるホテル鹿島の森では1990年の第12回から行われている。古くからの参加者は、「いつ来ても何も変わらない。唯一横断幕をかける木が成長して、幕の位置が変わったことくらい(笑)」というほどだ。そう、このイベントの魅力は何も変わらいことなのだ。

ここに来ると、「ただ皆で集まってしゃべって食べ、飲んでいます。特に走ることもありませんから、芝生の上でMGを見ながらお酒も飲めます。きっと長く続いているのはそれが理由でしょう。戦前から2000年代まで様々なMGが来場しますが、どのモデルにもとらわれないで交流が持てる、そのことも大きな魅力ですね」とあるエントラントはいう。

緑の芝生の上には戦前から2000年代までのMGが70台近く並ぶ。特に今年は戦前やその基本設計を受け継ぐTシリーズが18台もエントリーし、大いに注目を集めた。その中には、1963年のクラブ設立メンバーが所有していたTCが、名メカニックの手できれいに修復され、その遺族の方たちとともに参加。クラブの歴史の長さや会員との結びつきの強さが感じられた。

クラブ設立メンバーが保有していたMG TCクラブ設立メンバーが保有していたMG TC

そのMGの魅力は、「それはサイズと軽さであり、また戦前車ではエンジンがとても凝っていることです」と別の参加者はいう。「ヘッド周りなどもなぜこんなに凝っているのか不思議に思います。きっとエンジニアの“夢”があったのでは」と当時に思いをはせる。また、決してパワーはないものの、運転する楽しさや面白さがひしひしとクルマから伝わってくることも魅力だ。今回は名古屋から戦前のJ2ミジェットを名古屋から自走で参加した猛者もいる。そのタフネスさを備えていることも愛される要因なのだろう。

さらに、「世界中にMGのエンスージアストはたくさんいます。そこには若者だけではなく、年配のお金持ちもいます。それがMGの魅力を表しているでしょう。いかにもお金持ちのクラブではなく、老若男女、単にMGを愛するという共通の想いだけで集っているのです。今回はイギリスやイタリアのクラブからも参加してもらいました。言葉は違えど、MGを愛する気持ちは一緒です。それがこのクラブの、ひいてはMGの魅力ではないでしょうか」と語った。

MG TFシリーズMG TFシリーズ

次回は2020年10月に同じく鹿島の森で開催予定だという。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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