【CEATEC 2018】ディレクター談…テクノロジーで社会がどう変わるのかを見せる

CEATEC JAPAN実施協議会ディレクターの吉田俊氏
CEATEC JAPAN実施協議会ディレクターの吉田俊氏全 7 枚

「CEATEC JAPAN 2018」が10月16日、千葉県の幕張メッセで開幕した。同展はCPS/IoT展として衣替えをして今回で3年目を迎え、人手不足や地方創生などの社会課題の解決に向けて業界や業種の垣根を越えた連携による技術革新を発信する場へと変わりつつある。

CEATEC JAPAN実施協議会ディレクターの吉田俊氏は15日に開いた記者会見で「今回はCPS/IoT展として真価が問われる開催だと考えている。テクノロジーを見せるのではなく、テクノロジーで社会がどう変わるのかを見せる場にする。ソサイエティ5.0で実現される未来を発信したい」と強調する。

その目玉となっているのが「IoTタウン」だ。同エリアには銀行、流通、住宅、玩具、旅行、ヘルスケアなど多様な業種から20社がブースを構え、テクノロジーを駆使した未来型のサービスをデモンストレーションする。「実際の生活シーンでIoTがどのように活用されるのか未来を感じてもらえるのではないか」と吉田氏。

例えばローソンは2025年を想定した「未来のコンビニ」を披露。そこでは、スマートフォンのアプリを起動して商品とともにゲートを通るだけで決済が完了する。商品には無線ICチップが埋め込まれたタグがついている。また、LIXILは住宅建材や家電をつなげるシステムを紹介。スマートフォンのアプリで電動シャッターの開閉やエアコンなどの遠隔操作を実現している。

また、今回の特徴として、スタートアップ企業と大学も数多く出展。その数は162と過去最高を更新している。それについて、吉田氏は「これまでのCEATEC JAPANは大きな企業が出展社として情報を発信するという印象が強かったが、それに匹敵するくらいのパワーをスタートアップや大学からも感じてもらえるのではないか」と話す。

そのほか、会場には自動車関連技術の展示も多く、車両を展示しているブースも多く見られた。例えば、京セラはコンセプトカーと3Dヘッドアップディスプレイを使ったコックピットを展示。タイコエレクトロニクスジャパンは超小型EV『FOMM ONE(フォムワン)』、アルプス電気は自動運転用のコックピットという具合で、クラリオン、ボッシュ、楽天技術研究所などでも車両が展示されていた。

いずれにしても、IoTを活用したビジネスの構築には、IT・電機産業と金融をはじめ、流通、観光、自動車などあらゆる業界・業種の連携や共創が欠かせない。自動車メーカーで唯一出展したトヨタ自動車もソフトバンクと提携する時代である。今回のCEATECは幅広い業界の出展があり、異業種同士の連携のきっかけを作る場としてもってこいの展示会と言っていいかもしれない。

《山田清志》

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