現在、東京ミッドタウンで開催中の「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2018」に、ヴォーグ ジャパン(VOGUE JAPAN)とコラボレーションしたブースを出展しているマツダ。初日の19日には、マツダ常務執行役員デザイン・ブランド担当の前田育男氏によるトークセッションが開催された。
今回の展示は、今年6月にマツダモーター・イタリアとヴォーグ・イタリアのコラボレーション企画として、ミラノで開催された展示会を再現したもの。そしてミラノでの展示会が実現したきっかけは、『VISION COUPE』(ビジョン・クーペ)を出展したヴィラデステのコンクール・デレガンス会場で、ヴォーグ誌の関係者と出会ったことだと前田育男氏は語る。
「マツダでは、クルマをアートと呼べるぐらいのものに仕上げていきたいという思いがある。だからこういった企画は、実は密かに狙っていたこと。ヴォーグ側とディスカッションを続け、いい機会だからやろうということでミラノでのイベントとなった」と前田氏。「トラディショナルな建物を会場に選び、モダンとトラッドとアートがかけ合わさったような、素晴らしい展示を作ることができた」と振り返る。
いっぽう「アートとは絵画や彫刻といったものだけでなく、デザインもアートだ」と説明するのは、ヴォーグ誌のゲストエディターを務めるマイケル・ヴァン・ホーン氏。「ビジョン・クーペは工業デザインでありながら、美しい映り込みによって芸術作品としての存在となっている」と語る。「見れば、なぜ賞賛されているのか理解でき、頷ける」とのこと。
トークセッションの様子また会場に掲出されたアート写真のいくつかを紹介したが、ここでは「イマジネーション」「ミステリアス」といった単語が頻出。アートの定義や価値は誰かが決めるものではなく、人それぞれの解釈に委ねられているものだということを実感させた。
ちなみにビジョン・クーペについて前田氏は「クルマが周囲の環境を吸収し、反射することによって周囲と一体化することに気を使った」と説明。「繊細な日本の美意識を反映したクルマ。ここに見られるデザインが、次世代のマツダ車の要素のひとつになっていけばいいなと思っている」と語っている。
前田育男氏