レンジローバー イヴォーク 新型を発表、ランドローバー初のマイルドハイブリッド

「レンジローバー」シリーズ初のコンパクトモデル

電動化を想定、48ボルトのマイルドハイブリッド導入

水深600mmまでの渡渉性能

ボンネットを「透視」できるグランド・ビュー・テクノロジー

ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク 新型
ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク 新型全 14 枚

「レンジローバー」シリーズ初のコンパクトモデル

イギリスのランドローバーは11月23日、新型『レンジローバーイヴォーク』(Land Rover Range Rover Evoque)を本国で発表した。

レンジローバーイヴォークは、従来型が2010年夏にデビューした、『レンジローバー』の名前を冠した初のコンパクトモデルだ。ボディタイプは3ドア、5ドア、コンバーチブルの3種類が用意され、世界累計販売台数は77万台を超えている。このレンジローバーイヴォークが、デビューから8年を経て、初のモデルチェンジを実施した。新型は、2世代目モデルとなる。

新型レンジローバーイヴォークは、初代のデザインを継承しつつ、クーペのようなシルエットを進化させている。流れるようなルーフラインと、ボディの後方に向かうにつれて上昇するウエストラインが特徴だ。足元は、新デザインの21インチアルミホイールで引き締めた。マトリックスLEDヘッドランプは非常にスリムな設計となっており、内部に宝石を散りばめたような洗練さを持たせている。全長は4370mmとした。ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク 新型ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク 新型

インテリアは、ラグジュアリー、シンプル、デジタルがキーワードだ。シートなどには、レザーに代えて、リサイクルプラスチックを使用した素材が導入されている。ツインタッチスクリーンの「Touch Pro Duo」システムも採用した。16ウェイのシート調整や、キャビン内の空気をイオン化するテクノロジーも装備している。

新型は初代モデルに対して、ホイールベースを延長した。その効果で、後席の足元のゆとりが20mm増えた。グローブボックスも大型化されており、タブレット端末が収納できる。荷室の容量は初代モデルよりも10%拡大して591リットルとした。40:20:40の3分割でシートバックが倒せる後席を折り畳めば、スペースは最大で1383リットルに拡大する。

電動化を想定、48ボルトのマイルドハイブリッド導入

新型レンジローバーイヴォークの車台は、電動化を想定して開発された。48ボルトのマイルドハイブリッド技術が導入されており、ランドローバー初のマイルドハイブリッド車となる。

このシステムは、ベルト一体型のスタータージェネレーターによって、減速中のエネルギーを回収し、床下のバッテリーに蓄える。17km/h以下の速度域では、ドライバーがブレーキをかけている間、エンジンは停止する。加速時には、バッテリーに蓄えられた電力がエンジンのパワーをアシストするとともに、燃料の消費を抑える。

48ボルトのマイルドハイブリッドは、直列4気筒ガソリン「インジニウム」とディーゼルエンジンの両方に設定される。欧州で導入された新燃費試験の「WLTP」モードでは、新型レンジローバーイヴォークのガソリンマイルドハイブリッ車は、17.8km/リットルの燃費と149g/kmのCO2排出量を実現する。プラグインハイブリッド車(PHV)と3気筒ガソリンインジニウムエンジン搭載車は、2019年に追加される。ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク 新型ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク 新型

水深600mmまでの渡渉性能

「イヴォーク」はレンジローバーの名前を冠しているだけに、全天候そして全地形を走破する性能を追求した。新型の4WDには、「ドライブラインディスコネクト」付きの第2世代「アクティブドライブライン」と、快適性と俊敏性の最適バランスを実現する「アダプティブダイナミクス」を搭載した。レンジローバー譲りの「テレーンレスポンス2」は、水深が最大600mmまでの川などを走行できる。初代の500mmに対して、性能を引き上げている。

新型には、セグメント初の「ClearSight」を採用する。これは、ルームミラーをHDのビデオスクリーンに変えるもので、後席の乗員や荷物などで、ドライバーの後方の視認性が悪化した場合、ルームミラーの下のスイッチを押せば、カメラが捉えた後方視界が、鮮明な高精細度映像で表示される。画面は50度の広い視野を備え、暗い室内でも高い視認性を実現しているという。ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク 新型ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク 新型

ボンネットを「透視」できるグランド・ビュー・テクノロジー

新型には、世界初の「グランド・ビュー・テクノロジー」を搭載した。これは、カメラの画像をタッチスクリーンに映し出すことで、ドライバーがボンネットを透視できるテクノロジーだ。この技術は、駐車の際や、縁石に車両を寄せる際、オフロードを走行する時などに有効だ。2014年にランドローバーが開発した「トランスペアレントボンネット」技術の実用化となる。

新型のインフォテインメントシステムは、新しいソフトウェアにより、より直観的な操作ができるようにした。さらに、スマートフォンと連携させるために、Apple 「CarPlay」とグーグル「Android Auto」を搭載する。4G Wi-Fiホットスポットや「InControl Remote」などの最新コネクティビティも採用する。また新型は、「スマートセッティング」を搭載した最初のランドローバー車となる。スマートセッティングは、人工知能(AI)アルゴリズムを使用してドライバーの好みを学習し、シートの位置、音楽、空調などを自動的に最適な状態に設定してくれる。

《森脇稔》

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