【日本カーオブザイヤー2018-19】今年のクルマは?10ベスト試乗会で各社の意気込みを聞いた

2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベスト試乗会で、各社の意気込みを聞いた
2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベスト試乗会で、各社の意気込みを聞いた全 31 枚

2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー(以下COTY)の最終選考会に進む上位10台の「10ベストカー」が選出され、選考委員を対象に試乗会が開催された。スズキ『ジムニー』がノミネートを辞退、10ベストに選ばれたスバル『フォレスター』ものちに辞退するなど、今年のCOTYは早くも波乱の様相だ。「今年の1台」は何が選ばれるのか…。

くしくも「9ベストカー試乗会」となった会場で、各メーカーやインポーターの関係者にそのモデルの目玉とCOTYにかける意気込みを聞いた。なお掲載はノミネート番号順である。

●トヨタ・カローラスポーツ
●トヨタ・クラウン
●ホンダ・クラリティPHEV
●マツダCX-8
●三菱エクリプスクロス
●アルファロメオ・ステルヴィオ
●BMW X2
●ボルボXC40
●フォルクスワーゲン・ポロ
※スバル・フォレスターは10ベスト選出後に辞退

トヨタ・カローラスポーツ…復活したハッチバックは若者向けに

トヨタ カローラスポーツ(2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベスト試乗会)トヨタ カローラスポーツ(2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベスト試乗会)
トヨタMid-Size vehicle Company MS製品企画ZE主幹の梅村伸一郎氏のコメント。

トヨタ・カローラスポーツの目玉は
「これまでカローラはセダンとワゴンがありましたが、今回ハッチバックを復活させ、名前も“スポーツ”としてまさにスポーツ色を強めています。カローラは60代や70代が平均年齢なのですが、ぜひ20から30代の若い人にも乗ってもらいたいと、スポーツ色を強めたハッチバックを出しました。今後2019年中にセダンとワゴンを導入し3車がまとまりカローラのラインナップが揃います。その第一弾がこのカローラスポーツなのです」

COTYへの意気込みは
「トヨタとしては2台ノミネートしていますので、何とか頑張ってトヨタとして受賞出来たらうれしいですね」

トヨタ・クラウン…15代目は背水の陣

トヨタ クラウン(2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベスト試乗会)トヨタ クラウン(2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベスト試乗会)
トヨタMid-Size vehicle Company MS製品企画ZSチーフエンジニアの秋山晃氏のコメント。

トヨタ・クラウンの目玉は
「これまで『クラウン』には、ロイヤル・マジェスタ・アスリートと3つありましたが、新型ではそれらをひとつにまとめた究極の一台のクラウンとしました。クラウン史上初めて、走りも乗り心地もデザインも革新を図ったクラウンということです」

「具体的には、プラットフォームも全て新しくし、デザインもクラウンの伝統だった太いCピラーではなく6ライトとしています。その中でも最も売りとしているのは、フラットな乗り心地です。他のクルマではコーナリングなどでバネ上が動くことで目線も動いてしまうのですが、クラウンは目線が動かず、走り出しのところではスーッと滑るように走り始め、荒れた路面も目線が動かずに、しかもハンドルを切ったら素直にクルマが正確に動いてくれる、それが新型クラウンなのです」

COTYへの意気込みは
「今回、クラウンは15代目になりました。徳川は15代目で終わってしまいましたが、我々はそのくらい背水の陣、これで外したら後がないというくらいの気持ちで作ったクラウンなので、ぜひとも賞を取れるように願っており、また取れる自信もあります」

ホンダ・クラリティPHEV…航続距離重視のPHEV

ホンダ クラリティPHEV(2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベスト試乗会)ホンダ クラリティPHEV(2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベスト試乗会)
本田技術研究所四輪R&DセンターLPLの清水潔氏のコメント。

ホンダ・クラリティPHEVの目玉は
「ホンダの電動化に向けたひとつの提案として世の中に出したクルマが『クラリティPHEV』です。そのプラグインハイブリッドの一番大事な要素である、どれだけ充電した電気で走れるかということを最重要視して開発しました」

「実際に乗ってもらうとわかりますが、日常の使い方ではほとんど充電した電気だけで走ることができますので、十分に電気自動車として使ってもらえるプラグインハイブリッドといえるでしょう。電気が少なくなってきた時には高効率のハイブリッド走行になりますので、安心して長距離でも使ってもらえるクルマです」

COTYへの意気込みは
「各社素晴らしいクルマが揃っていますが、その中にこういう新しい時代に向けた電動車、しかも電動走行距離の長い、素晴らしい電気自動車フィールを持ったクルマというところにぜひ着目してもらい、このクルマを評価してもらえればと思っています」

マツダCX-8…マツダ初の3列SUVで新しいジャンルを創造

マツダ CX-8(2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベスト試乗会)マツダ CX-8(2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベスト試乗会)
マツダ商品本部主査の松岡英樹氏のコメント。

マツダCX-8の目玉は
「3列シートのSUVは今までマツダにはなかったクルマです。我々としては、ファミリーが使うようなクルマとして新しいジャンルを創造しようという意気込みで作りました。SUVの中では一番上の車格になりますので、それにふさわしい上質感やマツダらしい走りの楽しさ、そしてファミリーカーなのに格好良いというところを全て並立させた、今までにないクルマを出せたと思っています。その結果、3列SUV市場の中では上半期第1位を記録しています」

COTYへの意気込みは
「このように新しいクルマを創造したという意味でも、ぜひとも今年のCOTYを狙えるのではないかと思っています」

三菱エクリプスクロス…SUVの機能性にクーペのスタイリングを融合

三菱エクリプスクロス(2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベスト試乗会)三菱エクリプスクロス(2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベスト試乗会)
三菱商品戦略本部チーフプロダクトスペシャリスト(B&Cseg)林祐一郎氏のコメント。

三菱エクリプスクロスの目玉は
「SUVの機能性と走りの良さ、それは三菱の今までの強みです。そこにクーペのようなすごく格好良いスタイリングを組み合わせたのが、エクリプスクロスです」

COTYへの意気込みは
「なかなかCOTYを受賞することは難しいとは思っていますが、乗って楽しんでもらい、一票でも多く入れてもらえればというのが正直な気持ちです」

アルファロメオ・ステルヴィオ…世界一のドライビングロードを名乗る

アルファロメオ ステルヴィオ(2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベスト試乗会)アルファロメオ ステルヴィオ(2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベスト試乗会)
FCAジャパン広報部の小倉遵也氏コメント。

アルファロメオ・ステルヴィオの目玉は
「このモデル名は、イタリアの標高2757mのステルヴィオ峠が由来で、48のヘアピンカーブが連なるつづら折りの峠の名前を冠しています。そこから想像してもらえる通り、世界一のドライビングロードを名乗っていますから、運動性能やスポーツ走行に自信を持って開発したクルマなのです。またステルヴィオのもうひとつの特徴として、トップモデルを作ってその良いエッセンスをベースモデルなどに活かしていく方法を取っていますので、どのモデルに乗ってもスポーツ走行を楽しんでもらえます」

COTYへの意気込みは
「広報部一丸となってなるべく上を目指したいと思っています」

BMW X2…洗練されたデザインをまとって

BMW X2(2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベスト試乗会)BMW X2(2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベスト試乗会)
ビー・エム・ダブリュー製品広報マネージャーの前田雅彦氏コメント。

BMW X2の目玉は
「世界的なSUVブームの高まりの中、BMWは2000年に『X5』を導入し、その後モデルラインナップを拡大。小型の『X3』やクーペのスタイルをまとった『X6』、『X4』、さらにコンパクトな『X1』もデビューさせてきました。そして、SUVには無骨なイメージもありますので、X1のクーペモデルという位置づけとして、洗練されたデザイン方向に思いっきり振ったクルマとして『X2』を出したのです。コンパクトながらおしゃれに、そしてスタイリッシュに乗ってもらいたいというクルマです」

COTYへの意気込みは
「部門賞でエモーショナル賞があります。このクルマはデザインや走りでもエモーショナルを感じてもらえるので、そこを選考委員にも評価してもらえればうれしいですね。その結果、注目度もさらに上がることを期待しています」

ボルボXC40…上級、下級グレードではなくそれぞれの特徴を活かす

ボルボ XC40(2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベスト試乗会)ボルボ XC40(2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベスト試乗会)
ボルボ・カー・ジャパン広報部の長瀬雅紀氏コメント。

ボルボXC40の目玉は
「値段が高いから革シート仕様を買う、R-Designを買うということではなく、また、お金をセーブしたいから布シートのモメンタムを買うというものでもなく、それぞれのグレードの特徴を出すことで、そのグレードが欲しいからそれを選ぶというような設定をしています。この新しい価値を提案しているのがXC40の特徴です。さらに、300万円代後半で最先端の安全装備が全部標準であり、また、高いクオリティを備えているのもポイントです」

COTYへの意気込みは
「そういうところを評価していただいて、最終的にインポートカーオブザイヤーに選ばれたいですね」

VWポロ…上級モデルの良いとこ取り

VWポロ(2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベスト試乗会)VWポロ(2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー 10ベスト試乗会)
フォルクスワーゲングループジャパン営業本部営業企画課プロダクトプランナーの堀内慎太郎氏コメント。

VWポロの目玉は
「フォルクスワーゲンのMQBモジュールを活用し、『パサート』や『ゴルフ』などのフォルクスワーゲンの上級モデルの良いところを取り入れたのがこの『ポロ』です。サイズも5ナンバーから3ナンバーになったことで、特に後部座席を利用するお客様にはとても乗り心地が良くなった、居住性が良くなったことも評価されています」

「1リットルTSIエンジンは、特に高速道路などに乗っても非力さを感じさせない安定感や加速の良さも高評価。安全性能もゴルフやパサート同様のセーフティパッケージを提供しています。デジタルメータークラスターも、テクノロジーパッケージではナビゲーションを視線を移動せずに目の前に表示できるというかなり革新的な仕上がりですので、これらが200万円台で提供できているのは新型ポロの大きな魅力です」

COTYへの意気込みは
「ゴルフに続いてフォルクスワーゲンとしてもこのモデルチェンジしたポロでぜひカーオブザイヤーを取り、フォルクスワーゲンが復活したところをアピールしたいですね」

「第39回2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー」の最終選考会と発表・表彰式は12月7日に行われる。「今年の1台」に要注目だ。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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