ZFのロボットタクシーに試乗、初公開のAIテクノロジーでレベル4の自動運転に対応

ZFのロボットタクシー
ZFのロボットタクシー全 7 枚

アメリカのネバダ州ラスベガスで毎年開催されるCESは、「Consumer Electronics Show」というそもそものタイトルの意味が物語るように、かつては家電を中心とした世界最大規模の見本市としてその名を世界に広く知られていたが、現在ではAIやインターネット関連の展示に始まり、自動車の世界では完全自動運転に向けて急速に進む技術革新を、アピールする舞台として重要な役割を果たしている。昨2018年に新CEOとしてリーダー、ウォルフ・ヘニング・シャイダー氏を迎えたメガサプライヤー、ZFももちろん例外ではなかった。

【画像全7枚】

テクニカル・ワークショップで最新技術を披露

ZFのロボットタクシーZFのロボットタクシー

CESのプレスデイ開幕前日、ZFは世界中から一部メディアを招き、テクニカル・ワークショップを開催した。そのプログラムのハイライトのひとつとして用意されていたのが、配車サービス・ソリューション、新しい都市交通として提案された「ロボットタクシー」の同乗試乗だ。ZFが誇る最新のフルレンジレーダーやソリッドステートライダー、単眼カメラ、音響センサーなどからの情報を、これも今回のCESで世界初公開された世界最高レベルの中央制御ユニット、ProAI RoboThink(プロAIロボ・シンク)で処理。メカトロニクス・アクチュエータやセーフティーシステムなどを統合制御することで、レベル4の自動運転に対応している。

「see、think、act」を実現したタクシー

このロボットタクシーに採用されている最先端技術の数々に関しては、今後順次それをレポートしていくが、試乗したロボタクシーは、「see、think、act」という、ZFが掲げるコンセプト・ワードを、そのまま実現したかのようなモデルだった。今回は運転席にはドライバーが同乗していたが、そこにはステアリングホイールもペダルもなく、したがって本来は、乗車する全員がパッセンジャーとなるこのモデルでは、どのシートも自由に選択することが可能なのだ。ロボタクシーの呼び出しは、もちろんスマートフォンの操作でそれが可能。フロントシートの前方には、必要最小限の情報を映し出すインフォメーション・モニターがレイアウトされており、パッセンジャーはそのモニターを操作して目的地を選べば、最も効率的なルートをロボタクシーがチョイス。もちろん法定速度を守って安全にその目的地へと向かってくれる。

ZFのロボットタクシーZFのロボットタクシー

実際に試乗してみたロボタクシーは、車線のキープや加減速では、ほぼ違和感はなかった。唯一気になったのはコーナーでのステアリングの動き。ここにもう少し滑らかさが生まれれば、まさに上品なショーファーが運転しているかのような快適さで、ドライブを楽しむことができるに違いない。さらにZFは、このロボタクシーの走行状況などをクラウドに接続することで、カスタマーの車両管理や配車サービスなど、さらに実用的なモビリティサービスを提供することも可能としている。自動運転技術の開発、そしてそれをコアとするモビリティサービスの提供は、どうやら我々が想像する以上の速さで進んでいるようだ。その中で、ZFというメガサプライヤーが果たす役割もまた、きわめて大きなものであることはこのロボタクシーがそれを証明している。


<取材協力:ZF>

《山崎 元裕》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ハイエースの牙城を崩すか、個性的デザインの「EVバン」が日本上陸…キア『PV5』発売は2026年春
  2. スズキが新型「軽EV」を世界初公開へ、2026年度内に量産化、軽商用EVも…ジャパンモビリティショー2025
  3. ヤマハ発動機が新型3輪オープンカー、「AIで成長する」2輪車を世界初公開! 大型EVバイクなど16モデルずらり…ジャパンモビリティショー2025
  4. 寂しさ45%、読者の感情:レクサス『LS』生産終了…「時代の流れ」「次への期待」が交錯
  5. マツダの新型SUVが約250万円から!?「バグってる」「買わない理由がない」など驚きの声殺到
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る