トヨタ紡織が初出展、自動運転時代を見据えた要素技術を公開…CES 2019

レベル5を想定したモック「MOOX」ではVRを介した観光体験ができた
レベル5を想定したモック「MOOX」ではVRを介した観光体験ができた全 17 枚

トヨタ紡織は米国ラスベガスで1月8日から開催された「CES 2019」に初出展した。自動運転時代を見据え、会場では「AceS(エーセス)」と「MOOX(ムークス)」の2つの体験モックを用意。モビリティで過ごす際の利用価値を高める数々の提案を要素技術と共に一般に初公開した。

「AceS(エーセス)」は自動運転レベル4を想定した車室空間モデルで、乗員の一人ひとりが快適に過ごせる空間を作り出す、その要素技術として披露した。内装やシートで乗員の生体情報を検知して眠気や感情を推定する技術で、他にも状況に応じて音楽や光などで人の五感を刺激して安心・快適を提供する技術も合わせて公開。体験を通して、それらの要素技術が理解できるようになっていた。

モックアップには4つの機能を装備されいた。一つ目は体格自動調整機能で、カメラによって身長と目の座標をもとに最適なドライビングポジションを設定。高速道路で自動運転モードに入るとリラックスモードへと移行する。二つ目はパーソナル空調。体感温度は人によって異なるわけで、それを検知して温風/冷風を自動的に送風するものだ。

三つ目は感情推定で、周囲の環境やドライバーの声、心拍から喜怒哀楽を判断。臭いが出たり内装の色を自動的に変えて癒やし効果を与える。四つ目が覚醒維持。センシングによって一定レベル以上の覚醒が維持できるように様々な方法を施す。たとえば、懐かしい音楽を再生して脳を活性化させることも1つの方法として紹介していた。

これらのデータはクラウド上で蓄積されていくが、その対応をどう行うかは人によって大きく異なる。担当者によれば「データの収集を重ねることで経験値の向上を図り、対応力の精度を上げていくことを考えている」という。

「MOOX(ムークス)」は自動運転レベル5を想定した車室空間モデル。クルマという概念では言い表せない別世界の体験が出来た。VRを装着装着すると観光地などの目的地(この日は茨城県にある「国営ひたち海浜公園」)まで案内してくれるキャラクターが登場。乗員がキャラクターに興味があるのか、観光に興味があるのかなどを乗員の五感を刺激しながら判断。その反応から最適なサービスを提供していく。

センシングはカメラやシートにある心拍センサーを使う。VRを装着して体験した人の表情や行動、そして心拍数などから乗員がどんな状況なのかを判断するという。

VRを装着して体験してみると、コキアが咲きほこる国営ひたち海浜公園の様子を見渡すことができた。少しするとガイド役のキャラクターが登場。しばらく公園を一緒に楽しんでいる様子が展開された。公園を進んでいくと突然、象が目の前に迫ってくる。このドキドキ感やその時の反応もその後の対応に活用するという発想だ。そして最後に花火が打ち上がる様子が映し出されプログラムは終了する。

なお、「MOOX」で登場したキャラクターはティアフォーグループのシナスタジアが開発を担当した。VRでは、実写映像にキャラクターを重ねてバーチャル映像として展開。未来の観光地情報のリアルタイムを想定して開発したという。

《会田肇》

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