【旅エッセイスト国井律子が選ぶ、キャンパー5選】#3 なんて自由な“バンコン”の世界!

ワークヴォックス・セドナ
ワークヴォックス・セドナ全 20 枚

以前、歳の離れた兄がハイエースに乗っていました。屋根が高い「ハイルーフ」タイプなので160センチ弱の私なら立ったまま着替えたり、ゆうゆう作業できました。

【画像全20枚】

そのクルマをたまに借りて、愛車であるハーレー・スポーツスターを後ろに積んで車検へ。また、もう一台の愛車ホンダ・XR230を積載、モトクロスのコースに向かったりしたものです。

思いっきり偏見なのですが、ハイエースのようなバンは、箱のようなガランとした室内、無駄がないシンプルすぎるシート(業務用のような…)。視界が高いので前のクルマを見下ろして信号待ちなどしていると、「行商気分」になるんです。さて、今日は何を売るかなー! …なんて、私だけでしょうか!?

ともかく、ワンボックスカーのようなバンで旅ってどうなんだろう。イマイチぴんと来なかったのは事実です。

関西サーファーはバンコンが必須!?


しかし転機が訪れます。夫(石川県金沢出身ですが長いこと大阪に住んでいた)と静岡や四国や西方面でサーフィンするようになると、関西サーファーのバン率の高さ(とくにハイエース)にびっくりします。

なんでかと言うと関西はサーフィンが楽しめる海が遠いのです。日本海、高知、静岡、一番近くて三重県の伊勢…。最低3時間かけて海に向かいます。しかも家庭持ちだと一家全員クルマに乗せて、前の晩から「前乗り」。海で家族サービスしている関西サーファーの姿もよく見かけます。クルマで寝て、クルマでごはんを食べて、クルマで……、とにかく関西サーファー(あとスノーボーダーにも)には欠かせないバンなのです。


ほとんどのクルマは使い勝手がよいよう丁寧にカスタムしており、ベッド、収納、テーブル、冷蔵庫、シャワーなど海や旅を楽しむ装備がばっちり。余談ですが東京のサーファーは海や雪山が関西に比べたらずっと近いため、サッと行けてササッと帰れるSUV率が高い気がします。

ところで、トラックがベースになっているキャンピングカーを「キャブコン」。ハイエースのようにバンをベースに内装のみ手を加えているキャンパーを「バンコン」と呼びます。多くのキャブコンはリビング・ダイニングとベッドが別で、変な話、前夜の晩酌の残骸を片付けずに寝られるゆとりの居住性があります。

一方バンコンは、キャブコンほど広さはないけれど、走りで勝負ができる。高さ制限関係なく駐車もできます。値段もキャブコンの半額程度。なるほど、財布のヒモが固く長距離移動必至な関西サーファーに、バンコンはばっちりな相棒というわけです。

行商イメージのワンボックスカーがオシャレに...


ところでバンコン。やはりベースがワンボックスカーなので、私のなかで無機質な印象がずっとありましたが、今回の「ジャパンキャンピングカーショー2019」で180°覆りました。

日産NV350VANがベースのアネックス『RIW』は外見はふつうのバン。でも中身は別世界! 木をふんだんに使った車内。壁面にはいま住宅でも流行っている有孔ボード+マグネットバーの組合せ。収納も十分すぎるほどあり(コレ重要)、車内で使っているテーブルやイスをそのまま外に持ち出せば、アウトドアリビングも楽しめます。


そしてもう1台、私がとくに気に入ったのは、上質な無垢の木+アイアンの組合せがインパクト大なワークヴォックスの『SEDONA』。温かみを感じるリアルウッドでお気に入りの写真を飾るもよし、ウイスキーを舐めながらギターをつま弾くもよし。後方には外に向かったスライドアウト・テーブル。寝具など大物を収納できるだけでなく、引き出したテーブルをキッチンとして利用したり使い勝手もよさそう。そんなおしゃれすぎるSEDONAのベース車両は、かつて兄のクルマで毎度行商気分を味わわせてくれたハイエースです(笑)!

バンコンってなんて自由な乗り物! そういえばRIWもSEDONAも、両方とも関西方面のメーカーさんですね(笑)。

国井律子/Ritsuko Kunii
1975年8月25日東京生まれ。旅のエッセイスト。玉川大学文学部芸術学科芸術文化専攻卒業後ラジオレポーターなどを経て二輪雑誌からエッセイストとしてデビュー。オートバイのほか旅、クルマ、サーフィン、アウトドアなど多趣味を生かしエッセイを執筆。著書に「放浪レディ」(求龍堂)、「アタシはバイクで旅に出る」(エイ出版)など多数。近著に「進化する私の旅スタイル」(産業編集センター)がある。

【旅エッセイスト国井律子が選ぶ、キャンパー5選】#3:なんて自由な“バンコン”の世界!

《国井律子》

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