日産とセイコーマート、災害時におけるEVを活用した電力供給で協定締結

セコマと日産自動車、災害時における電力供給に関する協定を締結
セコマと日産自動車、災害時における電力供給に関する協定を締結全 8 枚

北海道でコンビニエンスストアのセイコーマートを運営するセコマと日産自動車および北海道内の日産販売会社7社は27日、「災害時における電気自動車(EV)からの電力供給に関する協定」を締結したと発表した。

今回の協定では、セイコーマート店舗に配備した「Vehicle to Home」(EVからの給電を行う機器)を活用し、購入したEV、日産『リーフe+』や、日産販売会社が貸与するEVの電力を災害による停電時の電源として活用し、店舗営業を継続させることで被災者を支援する。また日産自動車は、災害等により停電が発生した際に、日産販売会社店舗で試乗車として配備しているEVをセイコーマートに無償で貸与し、継続して電力が供給できる体制を整える。

昨年9月6日の平成30年北海道胆振東部地震では、最大震度7を観測し、道内全域で甚大な被害が発生。さらに、地震による大規模停電により、道民の生活や道内企業の活動に大きな影響を及ぼした。

セイコーマートは、地震発生による停電時に、災害用に配備していた非常用電源キットを活用し、自動車のシガーソケットからの電源で店舗のPOSレジ等へ電気を供給することで、道内1100店舗中約1050店で営業し、被災者への物資提供を継続。また店内調理ではガス炊飯釜でご飯を炊き、おにぎりを提供し続けた。しかし、その裏で、シガーソケットだけでは、冷蔵庫、冷凍庫の電力を賄うことはできなかったという。

一方、日産自動車は地震発生の2日後、ガソリンの供給が不足している自治体へ「リーフ」2台を貸し出し、非常用電源やガソリン車に代わる移動車として活用された。また、道内の日産販売会社は、停電が解消され次第、店舗に配備している急速充電器を稼働させ、その稼働状況を公開し、ユーザーのEVへの電力供給を行った。また、リーフと共にVehicle to Homeを導入している家庭では、リーフからの給電により、停電時も電力を使用できたため安心感にもつながった。

セコマと日産は、災害発生時の被災者支援や復興の重要性、企業としての事業継続計画(BCP)の強化が必要であるという思いが一致し、停電時の電力供給体制を確立し、道民に継続した支援を提供できるよう協定を結んだ。今回の防災協定締結の第1弾として、札幌市内のセイコーマート厚別西2条店を本協定のモデル店舗とし、日産リーフe+とVehicle to Homeを配備。災害発生時には、市内の日産販売会社よりリーフ1台を同店舗に無償貸与し、停電時の電力源としての運用を検証する。

《纐纈敏也@DAYS》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る